肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

戦国時代の化粧品業界~その1~

time 2016/09/18

今回は化粧品業界についてざっくりと書いていきます。

売上高が圧倒的上位の4社

昭和20年代から化粧品業界で1位を独走しているのが「資生堂」です。資生堂の2016年度連結売上高は、8500億になる予定で過去最高益になります。

業界2位はカネボウを買収した「花王」です。ビューディーケア事業の2015年度売上高は約6000億円です。カネボウの白斑問題で失速はあったものの、化粧品売上ではカネボウが1800億円を売り上げており、大きな存在になっています。

業界3位は傘下に高級化粧品アルビオンを持つ「コーセー」です。コーセーの2016年度連結売上高は、2600億になる予定で最高益となります。

業界4位は「ポーラ・オルビスホールディングス」です。ビューディーケア事業の2015年度売上高は約2000億円です、こちらも最高益を更新しています。

大手の化粧品メーカーが過去最高益を更新している理由の一つは、化粧品人口の伸びにあります。1980年代には、18歳~59歳の女性人口を化粧品人口としていましたが、現在は小学生や中学生でも基礎化粧品やメイクを行う時代です。高齢化社会を迎え、60代や70代の女性でも化粧品を使っている方は多く、また、男性でも基礎化粧品を使う方が多くなっています。国内の総人口は減少傾向にある中、化粧品人口はますます増えています。

もう一つは、海外展開です。欧米やアジア、特に中国での日本の化粧品の人気は高く、信頼された日本大手ブランド品の売上は増加傾向です。国内では、アベノミクスと日銀の金融緩和で円安になったことで、インバウンド消費(訪日旅行者の消費)が大きくなったことも大きな要因となっています。(現在はまた円高に逆戻りしており、中国人の「爆買い」は落ち着いてきています。)

アウトオブブランド戦略

アウトオブブランドとは「メーカー名=ブランド名」としないブランドのことです。国産の化粧品はいろいろなメーカー・ブランドが乱立していると思われている方もいますが、実は先に挙げた上位4社がかなりの割合を占めています。皆さんが愛用している化粧品ブランドも「え?あのメーカーが作ってたの?」と新たな発見があるかもしれません。

資生堂

資生堂・エス・クレドポーボーテ・dプログラム・エリクシール・ピエヌ・ナチュラルズ・マキアージュ    

資生堂アウトオブブランド

イプサ・エテュセ・アユーラ・ナーズ・ベアエッセンシャル・草花木果

花王(カネボウ)

KANEBO・インプレス・ルナソル・キッカ・インターナショナル・ソフィーナ・エスト

花王(カネボウ)アウトオブブランド

トワニー・RMK・SUQQU

コーセー(アルビオン)

コーセー・ボーテドコーセー・アルビオン

コーセー(アルビオン)アウトオブブランド

ジルスチュアート・アディクション・アウェイク・ポール&ジョー・アナスイ

ポーラオルビスHD

ポーラ・オルビス

ポーラオルビスHDアウトオブブランド

スリー・ディセンシア

百貨店の高級化粧品売り場は、上記の国内4社に加えて、外資系三大ブランドのロレアル(ランコム・ロレアルパリ・イヴサンローラン・シュウウエムラ・アルマーニ・メイベリンなど)、LVMH(クリスチャンディオール・ゲラン・ジバンシィなど)、エスティローダー(エスティーローダー・MAC・クリニークなど)の3社でほとんど占められています。それ以外だと、シェネルやP&Gのマックスファクター(SK-Ⅱ)くらいでしょうか。

アウトオブブランドは、公には別会社の形態をとっており、資生堂やカネボウなどの名前は一切使いません。そのような戦略をとることによって、違ったコンセプトの化粧品となり、百貨店で新たな売り場を獲得できるため、自社のグループを拡大することができます。

消費者は、その企業にマイナスのイメージを持っている場合は、なかなか戻ってきてくれません。消費者に母体となる会社の企業名を一切知らせないことで、消費者は新しいブランド・違うブランドだと認識するため、自社ブランドから離れて行った顧客を新たな顧客として取り込むことができます。そのため、アウトオブブランドでは、製造会社やパンフレットには資生堂やコーセーなどの母企業名を一切出しません。

アウトオブブランドは、同じ製造工場の違うラインで作られていることもあれば、もともと別企業を他社から買収した場合などは、製造工場から違うこともあります。研究開発や製造工場が同じだと、ブランド名が違うだけで同じような商品が発売されることも良くあります。「エリクシールのリップとイプサのリップは似ているなあ」という消費者の感覚は間違っていなかったりするわけです。

巷では「覆面ブランド」などとも呼ばれており、あまりよく思わない人もいますが「違うコンセプトで作られた化粧品」であることが消費者にも一目瞭然でわかり、また、母企業の名前がないことで先入観なく商品を評価することができますから、悪いことではありません。

上記のアウトオブブランドは一例で、実際はもっとたくさんのアウトオブブランドがあります。

続きます

→戦国時代の化粧品業界その2

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]