肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

高濃度VCローションなら「浸透型」と「保湿型」どっち?

time 2016/09/25

当院の高濃度ビタミンCローションは2種類あり、2つの新しいビタミンC誘導体(VC誘導体)が使われています。

高濃度「浸透型」VCローションには、3-O-エチルアスコルビン酸(ビタミンCエチル、VCエチル)が5%、高濃度「保湿型」VCローションには、3-O-グリセリルアスコルビン酸(VC-3G、VCグリセリル)が8%配合されています。医療用のため、どちらも市販品の化粧水と比較してかなりの高濃度で配合しています。(VCエチルは医薬部外品で1%濃度ですので、5倍の配合濃度となっています。)

患者さんから「浸透型と保湿型、どっちが効果が高いんですか?」と良く聞かれますが、VCエチル5%とVC-3G8%では、8%のほうが効果が高いと思う方も多いのですが、実はVCエチルを5%配合した「浸透型」VCローションのほうが効果が高いです。

VC誘導体は酵素で分解、切断されてビタミンCへ変換されますが、VCエチルはビタミンCに小さなエチル基がくっ付いただけなので、そのままの構造でもビタミンCと薬理的に同じ作用を発揮します。(即効性)

エチル基が付くことによって安定性が高まり、ゆっくりと肌で72時間かけてビタミンCへ変換されていくため、長く作用します。(持続性)

その他にもVCエチルには、紫外線のUVAによる「メラニン単量体の重合化の抑制」という特有の美白作用があります。

このようにVCエチルは、他のVC誘導体にはない特徴をいくつも持っているため、非常に優秀なVC誘導体です。

一方で保湿型VCローションに配合されているVCグリセリルの最大の特徴は、VC誘導体でありながら「高保湿・低刺激」である点です。

VCグリセリルは昨年登場した最新の誘導体であり、ビタミンCに保湿成分のグリセリンが付いた形になっていて、保湿性を保ちながら、美白作用があるのが特徴です。

VCエチルと同様、持続性と安定性にも優れており、グリセリンが結合されているため、ビタミンC特有の刺激性が少なくなっており、今まで乾燥肌や敏感肌でビタミンCが使用できなかった患者さんでも使用できる可能性があります。ただし、刺激性が全くないかというとそうではなく、赤みやかぶれが出てしまうケースも稀にあります。

また、ビタミンCとグリセリンのエーテル結合が肌上で分解されるかがわからないため、VCエチルよりは美白作用として落ちると考えられます。

VCグリセリルはアニオン性(陰イオン性)のため、イオン導入に適しています。

(※以前原料会社から「VCエチルは水溶液中でイオン解離しない」と説明を受けていたため、イオン導入に適さないと記述していましたが、イオン解離することが分かりました。VCエチルも「-」でイオン導入することが可能です。)

総じてどちらも優秀なVC誘導体ですが、VCエチルが使用できる方であれば浸透型VCローションを、VCエチルで刺激や赤みを感じてしまう方はVCグリセリルが入った保湿型VCローションを使うのがよいでしょう。後は化粧水の使い心地で、個々人で判断していただいています。

当院では、男性の方や脂性肌の方にはVCエチルが配合された浸透型VCローションを、敏感肌や乾燥肌の方にはVCグリセリルが配合された保湿型VCローションをおすすめしています。

参照記事

高濃度「浸透型」VCローション

高濃度「保湿型」VCローション

医師から見たビタミンC誘導体ランキングその1

肌のクリニック 院長

岩橋 陽介

岩橋 陽介

東京のニキビやレーザーによるシミ・ニキビ跡治療などを専門とする美容皮膚科です。医師・薬剤師である涌水DRにも時々記事を書いてもらっています。 [医師紹介]

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