肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

APPS2%とVCグリセリル2%のヨウ素還元性

time 2016/10/16

前回の記事→VCエチルがヨウ素液を還元する実験

APPS2%とVCグリセリル2%の還元力を見る実験

前回はVCエチルと市販の某有名ブランドのVCローション(APPS配合化粧水)とで還元力の違いを見る実験を行いました。

市販のAPPS化粧水と高濃度VCエチルとの比較では、濃度差があるために比較が正確ではないため、今回はAPPS2%水溶液を作成して、VCグリセリル(3-O-グリセリルアスコルビン酸)2%化粧水との比較をしました。

VCグリセリルは昨年登場した新しいビタミンC誘導体で、3位の水酸基がグリセリンで修飾されたものです。詳しくは「医師から見たビタミンC誘導体ランキングその1」をご覧ください。

今回はちょうどVCグリセリルの配合量が2%の当院のEGホワイトローションを用いました。

上の動画は、水30mlにイソジンガーグル(ポピドンヨード7%)を10滴垂らしたヨウ素液中に、APPS2%とVCグリセリル2%(EGホワイトローション)を5滴垂らした動画です。

APPS2%はかなり黄色くなっていますが、これは古いものではありません。実験のために新品の粉から作ったばかりのAPPS水溶液です。以前の記事「その美白化粧品が効かない理由~ビタミンC編その2~」で書いたように、APPSの粉末には未反応のピュアビタミンCが含まれており、それが酸化してしまっている場合は溶かしたばかりでも黄色くなります。また、APPSの粉末自体が多少酸化してしまっている可能性もあります(今回実験で用いたAPPSの粉末は袋を開けたばかりのもので、古い粉末でもないことを付け加えておきます。)

EGホワイトローションは5滴でヨウ素が還元されてヨウ素液は完全に透明になりましたが、APPS2%水溶液は若干は色が薄くなったものの、まだまだ茶色いままです。

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市販のAPPS配合化粧水とAPPS2%水溶液の比較

それでは、市販のAPPS配合化粧水と今回作成したAPPS2%水溶液とでは、どうでしょうか?

同じように30mlの水にイソジンガーグルを10滴垂らし、市販のAPPS配合化粧水とAPPS2%水溶液をそれぞれ5滴ずつ、今度はヨウ素液が透明になるまで入れ続けました。

市販のAPPS配合化粧水はVCエチルがヨウ素液を還元する実験で使った某有名ブランドのVCローションで、封を開けてから数日しか経っていません。ちなみにその有名ブランドの広告では「APPS高濃度配合!」と宣伝されています。

まずAPPS2%水溶液と市販のAPPS配合化粧水との色の違いを見てください。市販の化粧水のほうが色が薄いですよね?

これは「酸化されないようにPHや基剤を工夫しているんだ。さすがは有名ブランド!」という意味ではありません。単純に濃度が低いからです。

APPSを2%も配合するとかなり黄色が強くなります。作りたての水溶液でこの黄色です。水に溶かしてすぐの色がこれですので、基剤は関係なく最低2%だとこの色になるということです。APPSは時間が経過すると酸化が進みますから、1ヶ月後の色はもっと濃くなります。

市販の化粧水の色を見ると非常に低濃度で配合されていることがわかります。予想だとおそらくは1%もないです。高濃度!と謳われている商品なのですから、濃度開示くらいはしっかりしてもらいたいものです。

動画に戻りますが、APPS2%水溶液は15滴でヨウ素液をほぼ無色透明にしました。対して市販のAPPS配合化粧水は、30滴入れてもまだ茶色です。(色は薄くはなっています。)

これはAPPSの濃度もそうですが、時間経過で酸化されてしまっていることも関係しています。下に写真を並べてみます。

実験前

APPSローション実験前

15滴後

APPSローション実験中

30滴後(APPS2%水溶液は15滴で終了しています)

APPSローション実験後

もうしばらくVC誘導体についての考察は続きます。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]