肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

ノンエーはニキビとニキビ跡を治す効果なし

time 2016/10/19

ニキビ跡とニキビを治す石鹸なんてない

ノンエー(NonA)というニキビ・ニキビ跡専用の石鹸を使っているが、ニキビが治らない。ノンエーは成分的にニキビに効果があるのかどうか記事にしてほしいというメールを患者さんからいただいたので、当ブログで分析してみます。(3ヶ月以上前にもらっていたメールでしたが、遅くなりました。)

以前ニキビ跡専用のリプロスキンという商品の広告の問題点と、ニキビ跡に効果がないことを「リプロスキンはニキビ跡に効果なし」という記事の中で書きましたが、大前提として、ニキビを治す・ニキビ跡を治す化粧品、薬用化粧品、医薬部外品は存在しません。

化粧品にはニキビへの効能効果がある成分は使用してはいけませんし、もし仮に使用していれば医薬品になります。ちなみに薬事法では化粧品で「ニキビ」という文言すら使うことができないように規制されています。

化粧品で「ニキビ」という文言が使えるのは洗顔料に限られます。これはニキビを治すという意味ではなく、「洗う」という行為によって、ニキビの予防になるという程度の表現だということを覚えておいてください。

薬用化粧品(医薬部外品)には「ニキビを防ぐ」という表現しか認められておらず、またニキビを防ぐ有効成分として配合されているのは、ほぼ100%グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2k)です。

上記のように、日本の薬事法ではニキビを治す、ニキビ跡を治す効果がある成分は市販品(化粧品・薬用化粧品・医薬部外品)には法律上一切入れられないことになっています。

ニキビを治す・ニキビ跡を治す石鹸や化粧品なんて存在しません。

(グリチルリチン酸ジカリウムが入っていますので、ニキビ予防の効能効果は認められています。)

ノンエーの効果と有効成分

まずノンエーの全成分を見てみます。

薬用ニキビ洗顔石けんノンエー(NonA)の全成分

有効成分:グリチルリチン酸ジカリウム
その他の成分:ダイズエキス、クワエキス、ローヤルゼリーエキス、スクワラン、ヒアルロン酸ナトリウム(2)、海藻エキス(1)、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリル酸ブチル共重合体(リピジュア)、カリウム含有石けん素地、精製水、ラウリン酸、濃グリセリン、1,3-ブチレングリコール

薬用化粧品は、厚生省から認められた有効成分は全成分とは別に表示できます。ノンエーの有効成分を見ると「グリチルリチン酸ジカリウム」とあります。

グリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症作用がある成分です。この成分を混ぜると「ニキビ予防」という効果効能を広告に入れることができます。非常にメジャーな成分で、ニキビ予防を謳う化粧品にはほぼ100%配合されています。

「ノンエーはニキビに効く!効果がすごい!って口コミが沢山あるけれど、他にもニキビに効果的な成分が入っているんですよね?!」などと思う読者もいると思いますが、ノンエーの有効成分はグリチルリチン酸ジカリウムだけです。

他の成分はニキビを治す効果はおろか、ニキビを防ぐ効果も認められていない成分です。一応他の成分も見ていきましょう。

●ダイズエキス・クワエキス→植物性エキスです。ニキビの予防、治療効果は認められていません。

●ローヤルゼリー→公式ページでは「22種類のアミノ酸など栄養がたっぷり疲れたお肌に栄養を与え、お肌を健やかに」と書かれていますが、石鹸に含まれていてもすぐに洗い流すので、お肌に栄養を与えるなどあり得ません。もちろんニキビの予防・治療効果は認められていません。

●スクワラン→サメの肝臓の脂肪(肝油)から抽出されて作られた保湿剤です。ニキビの予防・治療効果はありません。

●ヒアルロン酸ナトリウム→高分子の保湿剤です。公式ページにはうるおいを取り戻すなどと書かれていますが、すぐに洗い流す石鹸に配合してもそのような効果は得られません。ただ、石鹸へ配合すると泡立ちが良くなったり、洗顔後のツッパリを予防する効果は期待できるかもしれません。もちろんニキビの予防・治療効果はありません。

●海藻エキス→わかめや昆布など特有のぬめりの成分です。石鹸に混ぜることで泡立ちを良くしたり、もっちりとした泡にすることができるので、その用途で入れているのでしょう。ニキビの予防・治療効果なし。

●リピジュア→公式ページでは「細胞膜・涙の成分から開発された持続性の高いうるおい成分、お肌のうるおいを持続」と説明されていますが、すぐに洗い流す石鹸に配合してもそのような効果は得られません。ニキビへの効果なし。

●カリウム含有石けん素地→油脂と水酸化カリウムから作られる石鹸のこと。本当の無添加の石鹸は水とカリ石けん素地だけの成分でできています。洗うという行為においてニキビの予防の効果はありますが、その程度の効果です。

●ラウリン酸→石鹸によく使われる飽和脂肪酸。

●濃グリセリン→濃度が高い(98%以上の濃度)グリセリンのこと。保湿剤。ニキビへの効果なし。

●1,3-ブチレングリコール→アセトアルデヒドから合成して作られる多価アルコール。主に保湿剤として用いられます。ニキビへの効果なし。

この成分で100g 2,980円って驚愕ですね。

あの手この手で消費者を騙す薬用ニキビ用化粧品

この項目はノンエーについてではなく、薬用ニキビ用化粧品一般について書いています。

次から次へ新しいニキビ用の化粧品が出てきて、消費者は新しい商品が出ると「インターネットで検索すると口コミもいいし、効くかもしれない。」と淡い期待を抱いて購入し、結局効果がなくがっかりします。

消費者を騙す手口はパターン化しているので、見る人が見ればすぐにわかります。ここではよく使われる業者の手口を公開しますので参考にしてください(というかほとんどこのパターンしか使われなくなってきているので、これだけ覚えておけば大丈夫だと思います)。

1.ニキビに効く!と宣伝されている薬用化粧品には「グリチルリチン酸ジカリウム」が含まれており、有効成分はほぼそれだけ。

2.グリチルリチン酸ジカリウムには「ニキビ予防」という表現しか認められていないため、公式ホームページでは「ニキビ予防」「ニキビを防ぐ」という表現だけうまく使って宣伝している。

一方で効果効能が全くない「ニキビを治す」や「ニキビ跡を治す」という表現は、すべて外部のアフェリエイトサイトやステマサイト(つまり業者が宣伝のためにお金を払って依頼した第三者のサイト)、もしくは一般の消費者を装った楽天やアマゾンの商品レビューなどに書きまくる。

こうしてニキビやニキビ跡を治す効果が全くない化粧品を、薬事法の規制を避けながら、あたかもニキビが治るかのように宣伝できるわけです。

3.ネガティブな情報を徹底的につぶす。「商品名 効果なし」などで検索すると、「〇〇は効果なし?買ってみて使ったらすごい効果!」などと、ステマサイトやアフェリエイトサイトを山のように書き、ネガティブな情報が検索にひっかからないようにする。

以上の3つを頭に入れておけば、怪しい商品や広告にはひっかかりにくくなるはずです。

ちなみに、化粧品の公式ページで「ニキビを治す」という表現を使わないのは、薬事法(医薬品等適正広告基準)に違反するからですが、アフェリエイトサイトや第三者を装ったステマサイトで化粧品会社から利益を得て記事を書いた場合は、その個人や会社も罰則が科せられる可能性がありますのでご注意ください。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]