「肌のクリニック」院長の肌ブログ

東京の高円寺と麹町にある皮膚科・美容皮膚科「肌のクリニック」の院長ブログです。ニキビやニキビ跡、シミ治療、化粧品、プラセンタなどの美容情報を医師の視点から発信しています。化粧品業界や美容業界の問題点にもメスを入れていきます。

ビタミンCエチルもイオン導入可能です

time 2016/11/01

VCエチル(高濃度浸透型VCローション)もイオン導入できます

長らくVCエチルはノニオン(非イオン性)で、水溶液中で解離しないためにイオン導入には適さないと原料卸の会社から説明を受けていました。

2位の水酸基が修飾されておらず、水溶液中でプロトン(水素イオン)を放出して弱酸性を示すため、弱アニオン(陰イオン)となります。そのためイオン導入ができるはずだと思い、二度も原料卸メーカーへ確認したのですが、ノニオンでイオン導入できませんとの回答でした。

そのため、当院の患者さんにも「VCエチルはイオン導入に適さない」と今までずっと説明していました。

今回VCエチルの開発元の担当者と話す機会があり、もう一度同じ質問をしたところ「水溶液中ではイオン解離しているはずです。還元性も示しますし、イオン導入も可能なはずです。」との回答。

やっぱりでした。

今まで間違った説明をしており、申し訳ありませんでした。VCエチルもマイナスモードでイオン導入可能ですので、高濃度「浸透型」VCローションをお使いの方でイオン導入器をお持ちの方は、イオン導入用にもお使いいただけます。

WEBや資料の記載、ラベルの記載など順次直してまいります。

VCエチルは弱アニオン

ここでVCエチルの構造式をもう一度見てみます。

VCエチル構造式

アスコルビン酸は、2位、または3位のOH基が解離してH+とアスコルビン酸モノアニオンになるため、水溶液中では酸性を示し、マイナスでイオン導入できます。

VCエチルは、アスコルビン酸の3位の水酸基にエチル基が付いているのですが、2位の水酸基は修飾されていません。水溶液中では、VCエチルを溶かすと酸性を示すのは、2位のOH基からプロトンが遊離するためです。そのため、水溶液中では弱アニオンになり、マイナスでイオン導入可能です。

3位の水酸基をグリセリンで修飾した3-O-グリセリルアスコルビン酸(VCグリセリル)は弱アニオンで、イオン導入も可能と言われていました。一方、3位の水酸基をエチルで修飾した3-O-エチルアスコルビン酸(VCエチル)はノニオンで、イオン導入不可というのは相反しており、そもそもがおかしな話だと思っていました。

当院の患者さんへはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の内科・皮膚科医師です。薬剤師で抗加齢医学会専門医の涌水医師にも記事を書いてもらっています。 [医師紹介]

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