肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

シミが消える化粧品なんてあるの?

time 2017/01/11

市販の化粧品に過度な期待をするな!

まず、市販の化粧品に過度な期待をするのはやめましょう。化粧品は「人体に及ぼす作用がない、または、緩和なもの」と法律で定められています。化粧品原料で、人体に及ぼす作用がある原料を使用することはできません。

〇皮膚に作用がない→化粧品

〇皮膚に作用がある→医薬品

この大前提を覚えておいてください。

「ニキビが消える。」「肌が白くなる。」「アトピーが治る。」などの効用がある化粧品があったとしたら、それは完全に「皮膚に作用を及ぼす」ことになり、もはや化粧品ではなく医薬品です。

なので、そのように宣伝している化粧品があったとしたら、「100%嘘」だと思ってください。実際には薬事法(薬機法)違反であり、化粧品はそのような広告を打ってはいけないことになっていますが、守っている会社はほとんどありません。

「感激の声、続々!」「満足度98%!」「シミが薄くなった!」「マイナス10歳肌に!」「ほうれい線が薄く!」など、ネットではよく見かける表現ですが、全部嘘ですので気を付けてください。

化粧品成分が読める人からすると、「よくこんな成分で、嘘だらけの広告を打てるな・・。」と思うものばかりです。

JAROの調査では、実に85%の化粧品広告が基準に抵触していると判断されています。(私が見る限りは、90%を超えてると思いますが。)

化粧品広告の85%が基準抵触 効能巡る体験談、JARO調査

患者さんが診察室に化粧品を持ってきて、「この化粧水でシミが消えるって書いてあったんですが、効きますか?」と聞いてくることがあります。

私は、全成分表示を見せてもらい、「この化粧品の美白有効成分は、アルブチンとプラセンタエキスの2種類です。予防美白には多少はなりますが、シミは消えません。」と一応、真面目に答えます。が、、

この類の質問を今まで何十回、何百回と受けたので、正直うんざりしており、ここで声を大にして言います。

「シミが消える化粧品は存在しません!」

シミが消える化粧品があったら、それは医薬品です。そして医薬品を、化粧品扱いで(薬用化粧品・医薬部外品扱いでも)販売していたとしたら、その業者は捕まります。

ちなみに化粧品に認められている美白の広告表現は「メークによって肌を白くする。」という表現だけです。

薬用化粧品・医薬部外品に認められている美白の広告表現は「メークによって肌を白くする。」「メラニンの生成を抑えてシミを予防する。」「日焼けによるシミを予防する。」の3つだけです。シミを予防するだけであって、「シミを薄くする。」「シミを消す。」という表現は認められておらず、また、そのような広告は100%嘘ですので、覚えておいてください。

また、訴求成分(有効成分)にアルブチンやプラセンタ、シムホワイト、VC誘導体、トラネキサム酸などの美白成分が入っていても、それは予防美白であり、シミを消すわけではありません。そして、ほとんどの化粧品が訴求成分(有効成分)の濃度を開示しておらず、全成分表示に記載はされているものの、肌に影響を与えるほどの濃度では配合されていません。(ほとんど入っていないものもたくさんあります。)

ちなみにこれはニキビにも言えることです。ニキビについては「ノンエーはニキビとニキビ跡を治す効果なし」の記事や、「リプロスキンはニキビ跡に効果なし」の記事をご参照ください。

と、ここまで書いておいて、一応例外があるので書いておきます。それは、「ハイドロキノン」が配合されている化粧品です。

ハイドロキノンは、メラニンの生成を抑えるとともに、その細胞毒性によってメラニン産生細胞を減少させて、シミを漂白する働きがあります。米国では2%以下の濃度までは「化粧品」に配合できますが、2%以上の濃度のものは「医薬品」にしか配合できません。

しかし、なぜか日本では、化粧品に配合できるハイドロキノンの濃度はまだ規制されておらず、何パーセントでも化粧品原料扱いで配合できてしまいます。なので、ハイドロキノンを高濃度に配合した場合、「シミを消す」という医薬品のような作用をもった化粧品が出来上がります。

ハイドロキノンを配合した化粧品は、大手の化粧品メーカーではほとんど見かけません。というのも、ハイドロキノンはその細胞毒性の強さから、かぶれや赤みなどの皮膚トラブルを起こしやすい成分だからです。また、5%以上の高濃度で配合した場合に、「白斑(はくはん)」という正常な皮膚が白く抜ける副作用も出てきます。(過去にカネボウがロドデノールという美白成分で白斑を起こし、大問題となったことがありましたので、大手はしっかりと効果がでる美白成分をほとんど使わなくなりました。)

現在ハイドロキノンを配合している化粧品はいくつかありますが、ほとんどが濃度開示されていないものの、副作用が起こらないように、かなりの低濃度(1~2%以下)で配合されていると推察されます。その濃度だとシミを消す作用は期待できないため、結局「シミを消す化粧品」とは言えなくなります。

また、もしも化粧品でハイドロキノンを高濃度(4%以上)配合している化粧品があったとしても、それだけでシミが消えるかというと、ほとんど消えないでしょう。ハイドロキノン単独の効果は大きくなく、クリニックでは、トレチノインというピーリング作用があるレチノイド製剤と一緒にハイドロキノンを使用してシミを消します(トレチノイン・ハイドロキノン療法)。

シミはクリニックでトレチノイン・ハイドロキノン療法、もしくは、Qスイッチレーザーで消してしまうのが一番確実です。化粧品に期待するのはやめましょう。餅は餅屋です。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]