美肌ブログ | 肌のクリニック

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ダーマローラーとRFのニキビ跡への効果

time 2017/04/27

前回と前々回では、ニキビ跡の凹凸のでき方や、化粧品や光治療がなぜニキビ跡に効果がないことを書きました。今回は、ダーマローラーとRF(ラジオ波)のニキビ跡への効果を検証していきます。

ダーマローラー・ダーマスタンプ・ダーマペン


ダーマローラー 画像出典:http://www.melodysusie.com/

ダーマローラーとは、上の画像のように微細な針が沢山ついたローラーです。これを肌の上でコロコロと転がすことで、真皮に傷をつけて、瘢痕組織を壊し、ニキビ跡の凹凸を改善させます。

ダーマローラーは転がす際に皮膚をひっかけてしまうため、その改良版のダーマスタンプの方が良く使用されます。


ダーマスタンプ 画像出典:https://www.whitelotusantiaging.co.uk/

ダーマスタンプは、皮膚に垂直にスタンプ(ハンコ)を押すようにポンポンと押して行くので、ダーマローラーのように皮膚をひっかけて、ひっかき傷のようになってしまうことはありません。ヘッド部分は大き目のものから、細かい部分に対応する1㎠程度の小さいものまで豊富にあります。

ダーマスタンプでは何百回も手動で刺さなければならないため、クリニックではダーマペンがよく使用されています。


ダーマペン 画像出典:http://www.dermapenworld.com/

ダーマペンは針が電動で上下に細かく針が動き、深度も調節できるため、非常に簡単にダーマスタンプの効果を得ることが可能です。

ダーマペンの凹みへの効果

ダーマローラー・ダーマスタンプ・ダーマペンとも古くからニキビ跡の凹み治療に使用されており、一定の効果があるのは確実です。古典的な治療ですが、効果は高いため、レーザー治療全盛の日本でも行っているクリニックは沢山ありますし、欧米ではmicro-needling法として広く行われています。

前回と前々回の記事でニキビ跡の凹みができる機序を理解した方はわかると思いますが、凹みを改善するためには、まず凹みの下の瘢痕組織を壊さなければ意味がありません。ダーマペンは確実に真皮の瘢痕組織を壊しますから、そういった意味では有効性がある治療です。

表皮の厚さは0.2mm以下、真皮の厚さは約2mmあるため、凹みの深さを鑑みて針の長さを決める必要があります。真皮の瘢痕組織を壊すためには、ある程度の針の長さが必要なため、表面麻酔は必須になります。しかし、最初から長い針で行うと、術中、術後の痛みや出血がひどくなりますから、最初の数回はあまり針を長くし過ぎない方が良いでしょう。

後述するレーザーと異なり、熱を加えませんから、ダウンタイムは比較的短い治療です。赤みは、おおよそ3日から1週間程度で消えていきます。

ダーマーペンは、一度の治療ですべての瘢痕組織を壊すことは出来ません。すべて壊そうと念入りに治療してしまうと、術後に再び汚い瘢痕組織が出来てしまうこともあるため、あまり無理をし過ぎない程度に治療するのがコツです。

効果がしっかりと出てくるまでに、治療回数は最低でも5回以上は必要であり、場合によっては30回程度行うケースもあります。肌のクリニックでは、1ヶ月間隔で10回を1コースとして行っています。

ニキビ跡の凹みは、コラーゲンの産生が不十分なまま分解だけが進み、へこんだ状態で瘢痕組織が形成され、その上に上皮が張った状態です。瘢痕組織を一度壊すと、壊した部分が再び創傷治癒過程で、瘢痕組織となりますが、その瘢痕組織をいかに正常の真皮に近い構造にするかが、治療の成否の鍵となります。

創傷治癒がしっかりと働くように、ダーマペン後に湿潤環境を作ってあげることが大切です。また、当院では臍帯血幹細胞培養上清液や、成長因子(bFGF・IGF・EGF+ヒトプラセンタ)を術後に塗布し、できる限り綺麗に傷が治るようにしています。

フラクショナルRF

フラクショナルRFはレーザーではありませんが、ラジオ波を出す機械です。フラクショナルは「点」とか「分割」という意味で、RFは「ラジオ波₌高周波」のことですので、フラクショナルRFは「点状に高周波を出す機械」の総称のことです。

フラクショナルRFは、ダーマスタンプのように無数の針がついていて、その針から高周波が出ます。つまり、ダーマスタンプ+高周波です。

日本で主に使用されているフラクショナルRFは下記になります。

 インフィニイントラセルスカーレットRFビバーチェシークレット
49本
コーティング
49本
コーティング
25本
ノンコーティング
36本
ノンコーティング
25本
ノンコーティング
長さ0.5-3.5mm1-2mm0.5-3.5mm0.5-3.5mm0.5-3.5mm

※その他のフラクショナルRF機種:イーマトリックス・イープラス・ウルトラセル

フラクショナルRFのニキビ跡への効果

それぞれの機種に多少の違いはありますが、大まかな原理は同じです。ダーマスタンプ+高周波ですから、真皮の瘢痕組織を壊して再構築を促し、高周波の熱でコラーゲンの産生を促すことによって、ニキビ跡の凹みを改善させる効果が期待できると思われる方も多いでしょうし、実際に医療機器の営業マンは、ニキビ跡への効果を高らかに謳います。

しかし、実際にはフラクショナルRFは、単独で凹みの治療でメインで使用されることは少なく、深いしわ、肌のハリ、引き締めなどのアンチエイジング目的で使用されることがほとんどです。凹みの治療で使用される場合も、CO2フラクショナルレーザーやサブシジョンなどの他の治療と組み合わせて使われています。

RFが凹み治療に単独で使用されない理由は、高周波の肌に対する作用を理解すると答えが出てきます。高周波(ラジオ波)は交流電流を発生させ、真皮のコラーゲン(タンパク質)を収縮・凝固させることによって、肌をきゅっと引き締める作用があります。低温(50℃程度)の場合は、コラーゲンを変性させずに線維芽細胞を熱で刺激して、コラーゲンの産生を促して肌にハリを出します。

ニキビ跡の凹みは、コラーゲンが欠損した状態で瘢痕組織が形成され、その上に上皮が張った状態ですから、低温刺激でコラーゲンの産生を促しても、固い瘢痕組織が破壊されていなければ盛り上がってきませんし、高周波の出力を上げてコラーゲンの収縮・凝固を起こしても、凹みは盛り上がりません。

フラクショナルRFには無数の針が付いていますので、長さを調整してやれば、針による瘢痕組織の物理的な破壊を引き起こしますから、ダーマスタンプと同様の効果は期待できるはずですが、実際には高周波を打つため、肌の負担を考えると1箇所に何回も針を挿入できません。

それに対して、ダーマペンは何百回も針を刺しますから、効率よく瘢痕組織を壊すという意味では、ダーマペンのほうが上です。

針がついておらず、高周波だけを点状に照射するe-Matrix(イーマトリックス)や、e-Plus(イープラス)はというe-Matrixに光治療と赤外線を追加した機種もあります。

一部の美容皮膚科では、e-Matrixやe-Plusがニキビ跡の凹凸に効果があると宣伝されていますが、残念ながら真皮の深くまで瘢痕組織を破壊して再構築させる事は出来ません。主に若返りや引き締め目的に使用される機種です。肌のハリが出たり、コラーゲンの産生を促すため、複合的な治療の一つとしてニキビ跡に使用されることはりますが、単独ではたいした効果は期待できません。

ちなみに、ウルトラセルという機種は、イントラセルに加えて、針なしのフラクショナルRF、格子状に照射するRF(サーマクールと同様のタイプ)、高密度焦点式超音波(HIFU/ハイフ)が付いたものです。こちらも凹凸には期待できません。

「ニキビ跡に効果があるレーザーは何?」へまだまだ続きます。

医療法人社団 肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の皮膚科・美容皮膚科・内科医 [医師紹介]

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