肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

シミウス効果なし?(シミウスでシミは消えない)

time 2017/06/17

シミが消えると広告されているシミウスの効果

当院の患者さんから「シミウスというジェルを使っても全然シミに効かない」「シミウスを使っているが、シミに効果がない」と相談されたため、記事にしてみます。

以前の記事「シミが消える化粧品なのてあるの?」で書いていますが、私は患者さんへは、「化粧品や医薬部外品でシミは消えませんよ。」としょっちゅう言っています。それでも患者さんの中には、シミが消えると思い込んで、美白化粧品を毎日せっせと使っている方が沢山います。

シミが消える化粧品はありませんが、炎症後色素沈着というシミは化粧品で消えることもあります。ただ、正確には化粧品で消えているわけではなく、肌の代謝(ターンオーバー)で消えるので、そういったシミは、化粧品を使わなくても自然に消えます。

女性にとって最も頻度が高く、悩むシミは「老人性色素斑=日光黒子」というシミで、加齢や紫外線の影響で起こります。このシミは、化粧品、医薬部外品では消えません。もちろん自然にも消えません。また、肝斑、ADM、そばかすなど、臨床上よく見かけるシミも化粧品、医薬部外品で消すことはできません。

シミが消えるという嘘の広告、または、シミが消えると消費者に思い込ませる広告をしている(印象操作をしている)化粧品はごまんとありますから、いちいち嚙み付いていたらキリがないのですが、患者さんで「シミが消えるって書いてあって、医学雑誌にも載ってるみたいで信用できそうだったから。」とシミウスを使っていた人が何人かいたため、少し調べてみました。

ちなみに、シミウスは公式サイトではシミが消えるなどと宣伝されていません。これは、公式サイトで虚偽の広告を行うと優良誤認となりますし、それ以前に薬機法に抵触するからです。しかし、公式以外の広告サイトでは、シミが消えると消費者に思い込ませる広告をしています(その点については、次回に書きます)。

シミウスはプラセンタを配合してますので「メラニンの生成を抑え、シミそばかすをふせぐ」というプラセンタの効果は謳えるため、その点に関して効果がないと言っているわけではなく、「シミを消す効果はない」という趣旨でこの記事を書いていますので、念のため付け加えておきます。

シミウスはメビウス製薬から出ているホワイトニングリフトケアジェルというのが正式名称のようです。メビウス製薬は、名前に製薬と付いていますが、医療機関向けに製薬をしている製薬会社ではなく、小規模の化粧品会社です。医療関係者で知っている人はほとんどいないのではと思います。(私も初めて聞きました)。自社工場を持たず、化粧品の企画を行い、OEM生産をしてネット販売しています。

商品開発理念と、商品開発コンセプトには以下のように書かれていました。

正直であり続けること

絶対に売れる商品を作りながら、嘘をつかない正直な告知する

引用:メビウス製薬リクルート情報

そんな素晴らしい理念を持ったメビウス製薬のシミウスジェルの広告を見ながら、本当にシミウスジェルの効果があるのか検証してみます。

シミウスの全成分

シミウスの全成分は以下です。

【有効成分】
グリチルリチン酸ジカリウム、プラセンタエキス
【その他の成分】
精製水、1.3-ブチレングリコール、濃グリセリン、プロピレングリコール、1.2-ペンタンジオール、水溶性コラーゲン液、シコンエキス、サクラ葉抽出液、ヒアルロン酸ナトリウム(2)、アルニカエキス、シナノキエキス、スギナエキス、オトギリソウエキス、セージエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ゼニアオイエキス、カモミラエキス(1)、トウキンセンカエキス、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、カリボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体、水酸化カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、エタノール、青1、赤106、香料

シミウスの有効成分はたった2つだけ

シミウスの有効成分を見ると、グリチルリチン酸ジカリウムとプラセンタエキスだけです。これを見て何か気付いた人はいるでしょうか?以前の記事「リプロスキンはニキビ跡に効果なし」で書いたニキビ後専用化粧水「リプロスキン」とまったく同じ有効成分です。(※ちなみにリプロスキンはニキビ専用化粧水ではなく、ニキビ専用化粧水と広告しています。)

有効成分以外のその他の成分は、効果効能がない化粧品原料です。

なぜまったく同じ有効成分を使っていて、一つはシミ専用、もう一つはニキビ後専用と広告されているのでしょうか?グリチルリチン酸ジカリウムがシミにもニキビ跡にも効くからでしょうか?

実は、どちらにも「効果なし」です。

グリチルリチン酸ジカリウムが使われている理由は、配合すると医薬部外品の効能表記が簡単にできるからです。ネットで広告されている医薬部外品に最も多いパターンで、以前に記事にした「ノンエー」というニキビ用石けんや、「メルライン」という顎ニキビ専用の化粧品など、探すと山のように出てきます。(※ちなみにメルラインについては記事にしていませんが、なぜ同じ有効成分で顎ニキビ専用の化粧品になるのか、医学的に全く意味が不明です。)

グリチルリチン酸ジカリウム

グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)については、医薬部外品として「ニキビ予防」という表現は認められているものの、ニキビを治す効果はなく、ましてやニキビ跡やシミを治す効果はありません。顎ニキビを治す効果もありません。

消炎作用があるため、昔から石けんや歯磨き粉などに配合されている成分ですが、医薬部外品に配合される濃度は「グリチルリチン酸として0.01~0.22%」と規定されており、作用としてはマイルドな消炎作用しか期待できない濃度です(その代り副作用は少なくなりますが。)

グリチルリチン酸ジカリウムが入っているからニキビが治るなんてことはありませんが、グリチルリチン酸ジカリウムを配合すると、化粧品→医薬部外品にでき、なおかつ「ニキビ予防」などの効果を宣伝できるため、それ目的に配合している医薬部外品が沢山あります。つまり医薬部外品登録をすることにより「効能効果が認められた医薬部外品です!」「化粧品ではなく、医薬部外品だから効く!」などと宣伝できるようになるからです。

そして、悪質な会社の場合は、さらに誇大広告によって「厚生省に認められた効果!でニキビを治す!」などと宣伝しているわけです。

グリチルリチン酸ジカリウムを配合しているので、シミウスは医薬部外品となりますが、シミとは全く関係のない成分(間接的には美白作用はゼロではありませんが、ほとんど期待できない成分)ですから、グリチルリチン酸ジカリウムでシミが消えることはありません。

ちなみに「グリチルレチン酸ステアリル」というのもよく使われますが、これは油溶性にしたグリチルリチン酸ジカリウムです。同じように効能効果を広告することができるため、クリームやオイルに配合されています。グリチルリチン酸ジカリウム同様、やはりステマだらけの医薬部外品に使用される傾向が多いです(まともなものももちろんありますが。)

プラセンタエキス

化粧品に使用されるのは豚プラセンタエキスですが、プラエンタエキスを配合すると「美白」が謳えるため、良く配合されています。

ただし、実際には「※メラニンの生成を抑え、日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ。」という注釈を入れなければなりません。プラセンタエキスには、シミを消す効果なんてありません。新しくできるシミを抑えるという「予防美白」の効果(それも穏やかなものです)があるだけで、できているシミを薄くしたり消したりという効果は期待できません。

医薬部外品の誇大広告・ステマに注意

この項は、シミウスではなく、ステマや悪質な広告をしている化粧品・医薬部外品一般について書いています。

グリチルリチン酸ジカリウムとプラセンタエキスが入った医薬部外品は、毎年いろいろなアイテムが誇大広告されています。1個の商品のブームが終わって売れなくなると、まったく同じような内容で次の商品を作り、また誇大広告をし、それが売れなくなったら、また次の商品を作るという繰り返しで、消費者を搾取していきます。

最近の化粧品・医薬部外品広告はエスカレートし過ぎていて、完全に虚偽、薬機法違反のものも多数あります。診察時に「先生、〇〇って化粧品知っていますか?シミに効くらしいんですけど。」とか「〇〇って化粧品も使ったんですけどね。ニキビ治らないんです。」などと患者さんから聞かれると、正直ウンザリしてしまいます。

昔は「それはどんな化粧品なんですか?成分表示を見せて下さい。」と言って、一つ一つの成分を説明してあげる時間もありましたが、最近は混んできているのもあり、短い診察時間の中でそのような対応ができないため、一律に「化粧品や医薬部外品にどんなものが入っていようと、ニキビやシミを治すことはできませんよ。」と答えています。せっかく持ってきていただいた全成分表示も、見てあげる時間がなくて申し訳ありません。

そのかわりに、このようにブログで患者さんにわかりやすいよう注意喚起をしています。

「わが社の商品は効能効果が認められた医薬部外品です!化粧品とは違います!シワが消える!シミが消えるんです!」と宣伝されて、医薬部外品だから効果があるに違いないと騙されてしまうひとが山ほどいるのに驚きます。

成分表示を見ると、たいてい有効成分はグリチルリチン酸ジカリウムとプラセンタだけです。成分が読めれば広告の嘘が分かりますから、当院のスタッフや患者さんには「化粧品は広告ではなく、成分表示を見るように。成分については勉強が必要。」と言っています。成分をきちんと見て購入した消費者はどれくらいいるでしょうか?

シミウス効果なしで検索してみると

消費者も、本当にシミに効果があるのか疑問に思い、「シミウス 効果なし」「シミウス 効かない」などの、ネガティブな悪い口コミがないか調べるようになります。

試しに「シミウス 効果なし」で検索してみてください。

検索で上位表示されているサイトを見ると、ほとんどのサイトが「シミウスは効果なし?」などとクエスチョンマークを付けた題名で、「効果がないのは使う期間が短いから」だとか、「使い方が悪いから」だとか、「効果がない人もいるかもしれないけど、自分のシミにはすごく効いた!」だとか、ポジティブな情報しか出てきません。そして、ほとんどのサイトには、シミウス販売の公式サイトへリンクしています。

このようなサイトは誰が作っているの?本当にシミウスを使った一般の人が作ってるの?公式サイトにリンクが貼られているけど、アフェリエイトサイトなの?それとも本当にシミウスを推奨しているの?

いろいろと疑問点はあると思いますが、真実は調査が入らなければわからないので、ここでは言及しないことにします。

悪い口コミを表示させない

この項は、シミウスではなく、ステマや悪質な広告をしている化粧品・医薬部外品一般について書いています。

広告業界に友人が何人かいるので、よく化粧品広告の話をしますが、悪い口コミを表示させないようにするネガティブ情報対策は、ステマにおいては基本の戦略とのことです。

ステマや悪質な広告をしている化粧品・医薬部外品は、広告会社に消費者を装って、たくさんの良い口コミを書かせます。そして、悪い口コミで検索された際に、それをポジティブな情報へすり替えるサイトもたくさん作ります。

例えば「〇〇 効果なし」や「〇〇 悪い口コミ」などで検索された際の対策として、「〇〇の悪い口コミ?!効果なし?果たして真実は?!」などといった題名でサイトを作ることで、検索された際にそのサイトが上位表示されるようにします。

記事を見ると「悪い口コミや効果なしって言っている人もいるけど、ごく一部の人だということがわかりました。私は実際につかって効果がすごくありました!」などとポジティブな情報しか書いてありません。

このようなサイトを広告企業が沢山作ることで、検索した際に、上位ページはそれらのサイトで埋め尽くされ、結果として、本当の悪い口コミが埋もれてしまいます。

薬機法違反をして宣伝している化粧品のステマサイトや口コミ投稿は、どれも似たようなサイトの作りになっていて、わかる人は一目見ただけでわかります。

ステマサイトやアフェリエイトサイトを書いた広告企業や個人も、薬機法違反の責任を問われるはずですが、あまりに数が多く、よほど悪質でなければ調査が入っていないのが現状です。

Post script.

当ブログは、リンクフリーです。ツイートして頂いたり、リンク付きで紹介していただけると、SEO対策となり、徐々に上位表示されるようになります。記事が良いと思った方は、ぜひお願いします。(最初はシミウス効果なしで検索しても、膨大なサイトに中に埋もれていたのですが、2017年8月現在、トップページに来るようになりました)

また、シミウスに限らず、シミが消えると広告している化粧品、医薬部外品は薬機法違反だけでなく、優良誤認(シミは消えないにもかかわらず、消えると思い込ませる広告手法)となります。買った化粧品、医薬部外品は、シミが消えると思いこまされる根拠となった該当広告ページやアフェリエイトページをプリントアウト、もしくは、データで保存(画面キャプチャーか、印刷→プリンターからPDFを選択→PDFで保存が最も良いです)して、優良誤認の疑いで消費者庁か消費生活センターでご相談ください。私に相談されても何の解決にもなりませんので。

シミウスのシミに対する効果の嘘や薬機法違反に関しては、次回の記事「シミウスの効果の嘘と薬機法違反」へ続きます。

※アイキャッチ画像の出展はシミウスのクリテオ広告より

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]