「肌のクリニック」院長の肌ブログ

東京の高円寺と麹町にある皮膚科・美容皮膚科「肌のクリニック」の院長ブログです。ニキビやニキビ跡、シミ治療、化粧品、プラセンタなどの美容情報を医師の視点から発信しています。化粧品業界や美容業界の問題点にもメスを入れていきます。

シミウスについての苦情と削除要請

time 2017/12/28

当ブログでシミウスの効果についての嘘や薬機法違反などの問題を取り上げたところ、記事についての苦情と削除要請を某弁護士と某法人からいただきました。

弁護士からの通知書には、「シミウスの記事を4週間以内に消去しなければ法的手続きも~云々。」と書かれており、それに対して私は、「どうぞ、ご勝手に訴えてください。こちらも徹底的に争いますから。」と当日中にお返事しましたが、それから2ヶ月以上も経っているのに、何の返信もいただけておりません。

削除要請を受けた記事は以下の3つです。当ブログでシミウスについて書いたものはその3つだけなので、シミウス関連の記事を全部消せということのようです。

  1. シミウス効果なし?(シミウスでシミは消えない)
  2. シミウスの効果の嘘と薬機法違反
  3. シミウスでシミが濃くなるという口コミ

「この記事のこの部分の表現が誤解を生じるので、その部分だけ削除してください。」などの部分的な要請や具体的なクレームではなく、苦情の内容が非常にあいまいで分かり難く、なおかつ、部分的削除や訂正を求めるものでなく、全文削除を要請してきました。

シミウスの記事は前回で最後の予定だったのですが、せっかく貴重な苦情をいただいたので、もう少し書いてみることにします。また、現在シミウスがメビホワという名称に変更している理由も最後に考察しています。

差出人にメビウス製薬の記載なし

10月16日付けで某弁護士から、当ブログのシミウスの記事に対する削除要請の通知書が当院に届きました。差出人の宛名には、弁護士の名前と所属する法人名とその法人代表者の名前の記載がありましたが、メビウス製薬の名称はありませんでした。

シミウスの正式名称は「ホワイトニングリフトケアジェル」となっており、メビウス製薬という会社が販売元です。また、メビウス製薬は医薬品の製造をしている製薬会社ではなく、通販事業をおこなっている化粧品会社であることは以前に書いた通りです。

私は、シミウスの広告手法に対して批判的な記事を書いていますが、通知書の差出人に書かれている某法人については全く関知していません。その法人とメビウス製薬との関係を調べましたが、どうやらメビウス製薬から依頼されてシミウスの論文を書いた医師(が所属する法人)のようです。一見医療法人のような名称がつけられていますが、医療法人ではありませんでした。(この法人も調べて見るといろいろとありましたが、今回はそれには触れないでおこうと思います。)

もしも、メビウス製薬の名前で当院に通知書を送った場合、言論弾圧や悪評隠しになりますから、そのようなことできないでしょう。しかし、メビウス製薬と利害関係のない第三者が全記事の削除を要請してくること自体、はっきり言って異常ですから、この通知書を送りつけて来た法人とメビウス製薬との関係がどんなものなのかは知りたいところです。

メビウス製薬からの依頼で通知書を送ってきたのか、関係はどんなものなのかを相手弁護士に聞きましたが、返答はもらえませんでした。今度、その件についてメビウス製薬にも直接聞いてみようかなと考えています。

シミウスの記事削除要請の内容

シミウス記事の削除を要請する相手側の手紙の内容ですが、理解し難い部分が多分にあったものの、要約すると以下の3つでした。

  1. 当ブログがシミウスに対してネガティブなプロパガンダを展開している。
  2. シミウスは医学論文の中で効果が認められているので、当ブログの批判は間違っている。
  3. マッサージで肝斑が悪化することは医学的に常識であるため、シミウスの論文では肝斑の患者は除外している。シミウスは肝斑の方には勧めていないのに、当ブログで、それをわざわざ批判するのはおかしい。

弁護士にとりあえず電話

ツッコミどころ満載の通知書でしたが、まずは、差出人欄に書いてある弁護士に電話してみました。

私「もしもし、そちらからシミウスの記事を削除しろという通知書が届いたんですが、これはどなたが書いたものですか?」

相手弁護士「これは、依頼人の依頼を受けて代理人の私が書いたものでして…。」

私「依頼人は誰ですか?」

相手弁護士「そちらに書いてある法人の代表者が依頼人でして。」

私「この代表者の方は誰ですか?医者ですか?」

相手弁護士「はい、お医者さんでして…。」

私「その医者がなんでシミウスの記事の削除を要請してくるんですか?医学的に何かおかしいことがあれば、堂々とその医者が直接問い合わせをしてくればいいじゃないですか?」

おおよそ上記のようなやり取りをした後、私から「通知書の内容が良く分からない。どこを訂正してほしいのか、何を削除してほしいのか。なんで相手の医者から削除要請が来るのか良く分からない。」ことなどを伝えましたが、相手弁護士は「自分は代理人で医学的なことはわからないから、反論があるなら文章で提出してほしい。」ということに終始していました。

予想通り、電話では話になりませんでした。

こちらとしても、文書できちんと残しておいた方が後々証拠にもなりますし、電話では進展がないこともわかっていたため、相手弁護士のメアドを教えてもらい、昼休みにすぐにメールを送りました。

私が相手側弁護士へ送ったメールの内容の要約は以下のものです。

  • メビウス製薬と相手弁護士との関係はどのようなものか?(顧問弁護士なのか?メビウス製薬からの依頼で書いたものなのか?)
  • シミの治療を専門的に行っている医師としての意見をブログに書いただけである。当院にはシミウスを使ってシミが消えない、効果がない、シミが逆に濃くなったという患者が数多く来院しており、公益性のために書いている。
  • メビウス製薬の行っている広告は明らかな薬機法違反であり、もし顧問弁護士であるなら、メビウス製薬の薬機法違反に対して、法律上の観点から、逆にきちんと指導すべき立場にあるのではないか?

メールを送ってから2ヶ月以上が経過していますが、相手からは何の音沙汰もありません。4週間以内にブロブを削除しなければ、法的措置を取るとまで書いておいて、私のメールには2ヶ月以上も何の返事もしてこないなんて失礼な話です。

通知書のおかしな点

相手側の苦情や言い分をまとめてみます。

私がシミウスのネガティブなプロパガンダを展開している

当ブログの記事は、薬機法に違反した広告を繰り広げているメビウス製薬に対して、批判はしていますが、シミウスに対するネガティブなプロパガンダを展開しているわけではありません。医師としての意見を公益性のために書いています。もちろん誹謗中傷する意図もありません。

プロパガンダというのは、特定の思想に誘導する行為のことです。つまり相手側は、「当ブログがシミウスは本当はシミに効果があるのに、あたかも効果が無いように消費者の思想を誘導している。」というような苦情を言っているわけです。

私はシミウスのネガティブな印象を広めようとしているわけではなく、シミウスにシミを消す効能効果がなく、メビウス製薬が薬機法違反の広告をしている事実を書いているだけです。

シミウスは医学論文の中で効果を認められている

「医学会も注目!」「医学論文にも掲載されました!」という文言で宣伝している化粧品や医薬部外品が最近多く、あたかも医学的に実証されたように広告されているものがありますが、その内容を見ると唖然とすることが多いです。

医学論文や科学論文を読む機会の少ない人にとっては、医学論文に掲載された=医学的に証明されたと思ってしまうケースも多いのですが、それはまったく異なります。

医学論文にはエビデンスレベル(医学的根拠のレベル)というものが存在します。研究デザインによってエビデンスレベルは大きく異なります。

高いエビデンスレベルの研究論文の場合、ランダム化比較試験のメタ解析が必要となります。それも対象者が200人以上など、ある程度の規模が必要です。2014年の医学と薬学のシミウスの論文では、10名のモニター被験者で行われています。

シミウスの論文のエビデンスレベルはどれくらいでしょうか?処置前後の比較をした前後比較試験に当てはまるため、エビデンスレベルは4となりますが、現在では治療効果の判定には、ランダム化試験やクロスオーバー試験が行われることが多く、前後比較試験はエビデンスレベルが低く勧められていません。さらにシミウスの場合、対象患者数が少なく、追跡期間も短く、エビデンスレベルとしては低いと言わざるをえません。

この論文だけで「シミウスがシミを消す効果があることが、医学的に証明された!」と断定することは絶対にできないレベルです。

ましてや、医師や消費者から論文の妥当性や効果に懐疑的な意見がブログに書かれたとしても「論文と異なるから削除しろ!」なんて要請は普通ならしません。エビデンスレベルが高い論文ですら、医師や科学者から批判的な意見や懐疑的な意見が出るのは当たり前ですから。(例えば、STAP細胞はネイチャーという非常に有名なインパクトファクターが高い雑誌に掲載されましたが、当時は懐疑的な科学者も少なくありませんでした。)

そして、掲載される医学誌のレベルも重要です。

インパクトファクターが付かない医学誌にエビデンスレベルの低い論文を載せたからといって、医学的に効果が証明されたことにはなりません。

シミウスの全成分については、以前の記事の「シミウスの全成分」で詳しく書いていますが、化粧品成分を理解できる方ならわかると思いますが、シミウスの処方設計は普通の保湿ゲルです。シミを消す効果を持つ特別な成分が入っているわけではありません。ちなみに、入っているプラセンタにシミを消す効果はありません。

少し医学や化学に詳しい人なら、シミウスの全成分表示を見ただけで、広告されているようなシミを消す効果なんてないことはわかりますから、私なら論文の依頼なんて受けません。

ちなみに、美容分野の仕事をしていると、様々な化粧品会社から、「当社製品の試験をやらせてください。」「論文を書いてください。」とお願いされることが多くあります。全て断っていますが、私が過去に化粧品会社から依頼された試験や論文は、化粧品会社が全額資金提供をし、医師に謝礼も用意されています。

医薬品の場合、高血圧薬のディオバン事件から非常に厳しくなり、製薬会社から資金提供があった場合は利益相反になるため、製薬企業の資金提供を受けて実施する医薬品の臨床研究などを「特定臨床研究」と位置付け、モニタリングや監査などが義務付けられています。化粧品の論文には、そのような規制はありません。

シミウスの論文を書いた医師が、メビウス製薬から資金提供や謝礼を受けているかどうかは知りませんので、あくまで一般論として書きますが、通常、化粧品会社から資金提供や謝礼を受けた試験や論文に関しては、信用性は著しく低いものになります。外部機関がモニタリングや監査などを行っていれば別ですが、査読があったくらいでは、信用性が高いものにはなりません。

どのような論文であっても、当然に異なる見解や批判はあります。批判されたことついての反論や議論は悪くありませんが、批判をブログで書かれたからといって、わざわざ弁護士を使って内容証明郵便で削除を要請し、削除しなければ法的措置(訴訟)をするなどと書くのは、非常識極まりないと言えますし、逆に問題を大きくするだけです。

医師の立場から意見や考察を書いただけでブログを削除しなければならないのであれば、表現の自由、言論の自由なんてあったもんじゃありません。

さらに、私が書いた過去の3つのシミウスの記事は、そのほとんどが、シミウスの内容成分についての解説や、薬機法違反、シミを消す成分が含まれていないことに対してのもので、シミウスの論文に対する記事はごくわずかです。にもかかわらず、「論文と内容が異なるから」と、すべての記事の削除を要請してくるのは、意味がわかりません。

マッサージで肝斑が悪化すること当たり前であるため、シミウスの論文では肝斑の患者は除外している。シミウスは肝斑の方には勧めていないのに、当ブログでそれをわざわざ批判するな。

肝斑というシミは、肌をマッサージをすることで濃くなります。私が以前書いた記事「シミウスでシミが濃くなるという口コミ」の中では、シミウスはマッサージゲルのため、シミが薄くなると思ってマッサージを行うと、肝斑がある人はシミが濃くなる恐れがあるという注意喚起をしました。

それに対して、相手弁護士からの通知書の内容は、

マッサージで肝斑が濃くなることくらい医学的常識で、それは当方の医師もわかっています。シミウスの効果を確かめる論文では、肝斑患者は除外している。シミウスは肝斑の患者には勧めていないのに、当ブログでシミウスで肝斑が悪くなるような印象を与えるのはおかしいではないか。

というものでした(通知書の内容が回りくどいため、私なりに解釈すると上記になります)。

つまり、シミウスは肝斑に効果はないし、マッサージで悪化させるので、それをわざわざブログに書くな。という趣旨です。

あれ?おかしいですね。

シミウスによるマッサージで肝斑を悪化させる可能性があると認めているのに、メビウス製薬の広告の中で「シミウスは肝斑に効果あり!!」とはっきりと宣伝されています。

ものすごく矛盾していますね。

広告ページを消される前に、きちんと魚拓(コピー)をとってありますので、それは次回ブログに記載します。なんせ、当ブログで引用した過去の広告ページやサイトは、すべてすぐに消されてしまうので。

ちなみに、当ブログでは、シミウスが肝斑を悪化させるのではなく、シミウスによるマッサージで肝斑が悪化すると書いています。マッサージによる物理的刺激が原因ですので、それはシミウスに限りません。なので、そもそも相手方の批判は当てはまりません。

これについて次回「シミウスとメビホワの肝斑に対する効果の嘘」で、メビウス製薬が行っていた薬機法違反の広告について詳しく書いていきます。

シミウスがメビホワに改名?

2017年9月頃から、シミウスはメビホワと愛称を変えて売り出され始めました。

最初はヤフー知恵袋の「メビホワって顔のシミ消し美白クリームが気になってるんですが実際に使ってる方いらっしゃいますか?」という質問の投稿から始まり、回答には「シミはだいぶ見えなくなりました。」や「メビホワはシミに最強」などと書かれています。下記にリンクを貼っておきます。

ヤフー知恵袋

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13178482248

8月の時点でメビホワを調べて見ましたが、ヤフー知恵袋以外にはメビホワという名称は一切出てきませんでした。私は化粧品関係の情報はこまめに検索するので、メビホワって何だろう?くらいで調べたのですが、ネット検索には何も出てきませんでした。にもかかわらず、メビホワはシミに最強などと回答されているので、回答されている方は、きっとどこかでメビホワという商品を仕入れたのでしょう。(ちなみに、メビホワのGoogleでの検索結果も保存してあります。)

2017年9月に検索すると、ちらほらとシミウスの写真で「メビホワでシミが消えると話題」みたいな記事が検索結果に反映されるようになり、メビホワ=シミウスということがわかりました。

そして、2017年10月からは一気にメビホワのページが増えて、内容がシミウスとほとんど同じ。1ヶ月前までメビホワという名前は使われてなかったのに、「メビホワ使ってみました!シミに効果あり!」みたいな口コミ記事が急に増えて笑ってしまいました。これからはメビホワの名称で売り出していくということなんでしょう。

当ブログで最初にシミウス効果なしの記事を書いた際、「シミウス 効果」で検索しても、膨大なアフェリエイトのようなサイトに埋もれてしまい、検索結果は何ページも下のほうでしたが、記事に賛同してくれた読者の方や患者さんが記事を紹介してくれたことで、Googleでの検索順位が1位になりました。

シミウスと検索すると、当ブログが1ページ目にヒットしてしまうため、メビホワと名称を変更することで、批判を目立たなくする戦略なのでしょうか。

ブログ等でリンク付きで記事を紹介して頂けたり、Twitterで紹介していただくと、SEO効果によってGoogleからの評価があがりますので、記事に賛同された方はぜひご協力お願いします。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の内科・皮膚科医師です。薬剤師で抗加齢医学会専門医の涌水医師にも記事を書いてもらっています。 [医師紹介]

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