肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

シミウスとメビホワの肝斑に対する効果の嘘

time 2017/12/28

シミウス(メビホワ)によるマッサージで肝斑が悪化してしまう可能性があり、それはシミウスの論文を書いた医師も「医学的常識」として捉えていることを以前の記事で書きました。

参考 : 「マッサージで肝斑が悪化すること当たり前である…」「シミウスでシミが濃くなるという口コミ

しかし、残念ながら当のメビウス製薬はシミウスが肝斑に効果があると宣伝しています。完全に薬機法違反で、虚偽の広告になりますが、その広告を今回は検証していきます。

ちなみにメビホワとは、前回の「シミウスがメビホワに改名?」で記述した通り、シミウスと同じ製品のことです。スマホでは「ネビムーン」という名称でも同じシミウスの広告が出てきました。だめだこりゃ。参考URL : http://ミンコミナビ.site/nebimoon/

シミウスの肝斑への効果

メビホワこと、シミウスの肝斑についての効果について宣伝された広告ページで見てみます。ネットの広告をクリックすると、kenkou-skin.com(403エラーで現在は見れません)の中の広告サイトへ移動し、そこにPRページが現れました。

画像引用URL : http://kenkou-skin.com/simi/002/ (このページはまだ生きており見れますが、写真等は変わっており、PRメビウス製薬の文字は消されてしまっています。→書いた時点では生きていましたが、年始の1月4日にチェックしたら削除されていました。なんなんだこの会社…。)

右上に、2017年10月11日 | 話題の美容BLOGという記載とPR | メビウス製薬という文字が見えます。メビウス製薬の広告であることがわかります。

画像引用URL : http://kenkou-skin.com/simi/002/(この記事を書いて1週間程度で消されています。)

広告ページには、シミウスは色々なシミを薄くする!!と断言されており、症例写真とともに「老人性色素斑にも効果的!!」と宣伝されています。

もうこの時点で完全に薬機法違反でアウトです。この会社のコンプライアンスはいったいどうなってるんでしょうか?

突っ込みどころ満載ですが、まずこの写真、シミウスで薄くなったというのは完全に嘘ですね。写真が加工されているか、レーザーなどでシミ取りをしないとここまで綺麗には消えません。シミウスの有効成分はグリチルリチン酸ジカリウムとプラセンタだけです。その成分でどうやってこの写真のようにシミを消したのでしょうか?

もしも、この写真のようにシミが消えたら、世紀の大発見、世界中の美容企業が真似するでしょう。

こんな効果があるゲルを製薬会社が放っておきません。何百億かけても医薬品として研究したいレベルです。レーザー治療やトレチノインハイドロキノン療法なんて必要なくなります。シミ治療のために、数百万~1千万かけてQスイッチレーザーやピコレーザーを買った医師は最悪で、完全に涙目ですね。

消費者が騙されないためにも、薬機法では化粧品、医薬部外品に対する効能効果、広告に対して厳しく規制されています。このような効果があると錯覚させるような写真、広告を載せるのかなり悪質で、最悪と言わざるを得ません。

シミウスは肝斑を消せる?!

シミウスの広告をさらに下にスクロールすると、「肝斑にも効果的!!」という完全に薬機法違反の文句とともに、またもビフォーアフター症例写真が出てきました。

画像引用URL : http://kenkou-skin.com/simi/002/(この記事を書いて1週間程度で消されています。)

ご丁寧に、「シミウスでシミが目立たなくなってきています!!」というこれまたアウトの文言付きです。

写真のシミが肝斑であるかは別にして、写真をみると本当にきれいにシミが消えていますね。素晴らしい効果です。こんな効果があるのなら、レーザーなんていりません。トレチノイン・ハイドロキノン療法もトラネキサム酸の内服剤もすべて不要です。完全にインチキですね。

しかし、ここまで消費者を騙す嘘の広告を展開しているのはすごいとしか言いようがありません。

PRメビウス製薬の文字がなくなっている

化粧品会社は、薬機法違反を免れるために様々なことをします。まず、公式サイトや自社のPRサイトでは、薬機法違反になるような宣伝文句を使わず、外部のステマサイト、消費者を装ったサイト、美容サイトなどにお金を支払って、そこで「シミが消える!」などの広告を繰り返します。

メビウス製薬がそのような手法を行っているかどうかはわかりませんが、上記のサイトにアクセスしたところ、予想通り広告が変わっていました。

画像引用URL : http://kenkou-skin.com/simi/002/(この記事を書いて1週間程度で消されています。)

右上の赤い矢印の箇所を見てください。2017年11月27日という日付に変わり、PRメビウス製薬という文字がなくなり、美肌BLOG編集部となっています。写真の人物や症例写真こそ違いますが、ページ全体の内容はほぼ似通っています。名前をPRメビウス製薬から美肌BLOG編集部に変更することによって、販売元は薬機法違反の宣伝はしていないと逃げるつもりなのでしょう。

広告ページのURLはhttp://kenkou-skin.com/simi/002/ですが、最後の002の文字を、例えば、001や003、009などに変えてみると、何種類もの広告が作成されていることがわかります。このような広告については、厚生省や消費者庁が本気で調査に入ってもらいたいものです。

広告ページにアクセスするとわかりますが、右上の日付はアクセスした日に自動的に改変されるようになっています。→1月4日現在、チェックしてみたら、案の定消されていました。ただ、まだGoogleに残っているキャッシュで内容は見れますので、見たい方は下記のキャッシュでチェックして見てください。

たった1個のオールインワンジェルが顔のシミを薄くする で検索すると2番目に出てきますので、http://kenkou-skin.com/simi/001/▼という文字の▼部分をクリックするとキャッシュが出てきます。そのキャッシュをクリックすると内容が読めます。ちなみに一番上もシミウスの広告が出てきます。(ただし画像のキャッシュはすべて消されてしまっていますので、大元の文章のみになります。元の広告自体はすべてコピーを取っています。)

ちなみに、通知書が来た10月当日に、私は相手弁護士へのメールに「メビウス製薬が行っている薬機法違反の広告はすべて保存しています。」と書いています。私からのメールを見て慌てて変更したのでしょうか。その時点では、PRメビウス製薬の文字がありましたが、後日消されていました。(1月4日現在、まるごと消されています)。

ちなみに、今回の改変は予想できました。なぜなら、以前の記事「シミウスの効果の嘘と薬機法違反」で取り上げたページは、すぐに消去されており、その後にほとんど同じ内容で、PRメビウス製薬が消されて、美肌BLOG編集部の名前で、新しい広告がアップされていました(下記)。

画像引用:アンベリールのPRサイト  URL : http://labeauteetsante.com/?p=31887

「シミウス 肝斑」で検索をかけてみると‥‥

相手弁護士も「シミウスは肝斑には効果がないことは医学的常識」と言っているにも拘わらうず、メビウス製薬は肝斑を治すなんてアウトな広告もしていたわけです。

そして、念のため、「シミウス 肝斑」で検索をかけてみました。するとどうでしょう…。

シミウスが肝斑に効果あり!という口コミやら写真やらが沢山出てきました。これらのサイトには、メビウス製薬が書いた、もしくは、広告を依頼したという証拠はないものの、すべて公式サイトに誘導する文言ばかりになっています。

絶対に肝斑には効果がないはずなのに、肝斑が消えた!薄くなった!と沢山の口コミが溢れているのはあきらかに異常ですよね。

医学的にも肝斑を悪化させる可能性のあるマッサージゲルが、なぜこんなにも肝斑に効くと宣伝されているのでしょうか?そして、このような医学的にでたらめなサイトは、いったい誰が何のために書いているのでしょうか?

薬機法は何のためにあるか

この項目より下はシミウスのことでなく、化粧品、医薬部外品全般について書いたものです。

薬機法(旧薬事法)は、化粧品や医薬部外品で認められる効能効果と広告表現を厳しく制限しています。化粧品や医薬部外品の訴求成分、有効成分には、シミを消す効果があるものはないため、それが明示的であれ、暗示的であれ、「シミが消える。」という広告表現は使用することができません。

「本当はシミが消えるのだけれども、法律上シミが消えるとは言えないから、こっそり教えてあげる。」なんて言われて、高価な化粧品を買ってしまう例もあるようですが、そのような例は詐欺に近いです。

確かに、メラニン還元作用や生成抑制作用など、化粧品の成分でもそのような効果が認められるものもありますが、それはメラニン産生細胞やマッシュルーム試験などを用いた実験、試験レベルの話であり、実際の臨床で、化粧品でシミが消えるなんてことはありません(炎症後色素沈着は、自然に消えるシミですので、それは化粧品で消えているわけではありません。)。

シミが消える化粧品なんてあるの?」でも書いていますが、シミを消すという化粧品は存在しません。そのような化粧品、もしくは、医薬部外品があったとしたら、確実に医薬品になります。いい加減な広告を防ぐために、効能効果の広告表現は薬機法で規制されているわけです。

薬機法違反の広告を見つけたら

化粧品や医薬部外品の違法な広告は山ほどありますが、そのような広告を展開しているほとんどの会社は、ネット通販が主の小さな化粧品会社です。そのため、大々的に宣伝はせず、公式サイトでは薬機法に触れないように宣伝をして、外部サイトで消費者を装ったステマサイト(やらせサイト)を量産しています。フォトショップで修正してシミが消えたように見せる写真や、レーザーで取った写真を「化粧品で取れた!」と掲載されています。

シミを消す、薄くするという効能効果は認められていませんので、それを明示的にでも、暗示的にでも消費者に効果があると思わせるだけでアウトになります。特に、症例写真を出して肝斑に効果的などと書いた場合は、完全に違法です。

それは、自社の名前を出していない広告、つまり、ステマサイトやアフェリエイトサイト、依頼して作ってもらった広告にも該当します。そのようなサイトを見つけた場合は、下記のリンクの厚生労働省のサイトからご通報ください。

医薬品医療機器等法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報をお寄せください!

また、薬機法は厚生労働省が担当ですが、シミが消えると宣伝されているのに消えないなどは、優良誤認にあたりますので、消費者庁の管轄になります。認められれば当然全額返金も含めて対応なので、消費者庁が直属の「国民生活センター」にご相談ください。

実際に優良誤認、景品表示法違反となれば、きちんとした企業であれば、返金対応をしてもらえるでしょう。(あくまで責任感のある企業であればの話ですが)。

シミを消すと謳っている化粧品は沢山ありますが、よほど大々的に宣伝しない限り、なかなか取り締まりされることはありません。少し前にも、石鹸でシミが取れると宣伝していた通販会社に対し、消費者庁が景品表示法に違反する「優良誤認」と「有利誤認」にあたるとして措置命令を下していますが、まだまだ氷山の一角です。

大手新聞情報誌に広告掲載のシミ取り石鹸に「効果なし!」消費者庁

皆さんの声が化粧品業界や広告業界を変えますので、ぜひ消費者庁や厚生省へ問い合わせて見てください。(広告の内容をすぐに変えられてしまうため、広告を印刷や画面保存しておくことをお勧めします。PCでGoogleクロームをお使いの方は、右上の…(縦の点)から印刷→送信先の変更ボタンでPDFに保存→保存ボタンを押す、でPDFに保存可能です。)

最後に

今回はシミウス(メビホワ)のことを書きましたが、これはメビウス製薬が大々的に薬機法違反の広告を繰り広げていたことと、当院の患者さんでシミウスでシミが消えると思い込んで使っていた方が沢山おられたことで記事にしましたが、シミが消えると違法は広告をしている化粧品会社はごまんとあります。

シミが消える化粧品何てあるの?」でも書いている通り、そんな夢のような化粧品は存在しません。また、アトピーが治る、首イボが綺麗に消えた、酒さや脂漏性皮膚炎が治る、赤ら顔が治る、などと、悩んでいる患者さんに期待を持たせるような広告がやまほど出てきますが、100%嘘ですので騙されないようにしてください。

騙す方が悪いのは当然ですが、消費者も賢くならなければいけません。また、怪しい広告、化粧品を見つけたら容赦なく消費者庁や厚生省へ報告してあげてください。

1年の最後をこんなブログで締めくくってしまい恐縮ですが、来年は読者の方に役立つ美容情報や健康情報をもっとお届けできればと思っています。

クリニックは1月5日からの診療となります。みなさん、どうぞよいお年をお迎えください。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]