肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

シミが消せる化粧品の嘘広告に注意

time 2018/05/13

インターネットをしていて、よく目にする2大誇大広告が「化粧品」と「健康食品」の2つです。化粧品の中ではシミに関するものが圧倒的に多く、健康食品の中ではダイエットに関するものが多いです。それだけ悩んでいる方が多いという証拠でしょう。

ネットリテラシー(インターネットで得られた情報を正しく理解し、取捨選択できる能力)がない方は、何度も同じような広告に騙されてしまいます。「シミが消える化粧品なんてあるの?」など、このブログで何度も注意喚起をしていますが、患者さんの中でもまだ騙されてしまう方がいるようです。

これらの嘘広告サイトの手法はほとんどが同じですので、実際に使われている広告手法を見ながら、注意すべきポイントを見ていきましょう。

嘘だらけのスポンサーサイトやPRサイト

グーグルアドワーズの場合、グーグルによる広告審査があり、詐欺的な広告は認められないため、一定の広告品質が保たれています。しかし、ひどいのはブログや特定のサイトの中に出てくるスポンサーサイトや、PRサイトです。これらは審査が非常に緩く、薬機法違反の広告で溢れかえっています。

ポイント1 消費者をあおる広告文に注意

スポンサーサイト問題1

スポンサーサイト問題2

上記はスポンサーサイトの一例ですが、すべてが嘘とは言いませんが、かなりの確率でとんでもない宣伝がなされています。ネットリテラシーの高い方だと、題名を見ただけで完全にスルーするような内容ですが、悩みがある消費者にとっては、つい食いついてしまう内容かもしれません。それだけ消費者を煽る文言が散りばめられています。

今回は、「ガッテンでも話題のシミ特効薬とは?」というスポンサーサイトを検証してみました。

シミがペリっと剥がせる!?

ガッテンでも話題のシミ特効薬とは?という広告リンクをクリックしたところ、こちらのページに飛ばされました。(ブログに書くとすぐに業者がページを削除してしまうため、気になる方はページの保存をしておくことをお勧めします)

シミが剥がせる

画像は「http://trend-wave.info/2018/04/13/albinia_im_fs_pc/」から引用

シミが剥がれている写真とともに、ガッテンで紹介という文言があります。ガッテンとは普通に考えれば、有名番組の「ためしてガッテン」のように思われます。

ポイント2 写真の嘘を見抜け

まず、この写真は、修正されているか、レーザー治療を受けたあとの写真であると推察されます。レーザー治療を受けたことのある方ならわかると思いますが、シミにレーザーを照射すると、かさぶたになって剥がれ落ちます。そして、その下から赤みがかったピンク色の皮膚が出てきて、この写真と同じ状態となります。写真の1枚目を見ると、シミの周囲がすでに赤くなっており、レーザーを当てなければこのようになることはないでしょう。もし、宣伝されている「アルバニア」という化粧品で、写真のようにシミ剥がれ落ちたとしたら、シミが無い健常な皮膚は赤くただれてしまうはずです。

化粧品や医薬部外品で写真のようにシミが剥がれることは100%ありえません。たとえ医薬品のトレチノイン・ハイドロキノンを使用したとしても、外用薬でシミが写真のような取れ方をすることはあり得ません。

もう一つ写真が載っていたので見てみましょう。

シミが剥がせる化粧品

これ、よく見ると1枚目の写真の方と同じ人です。しかも、左右反転させただけの写真になっています。アルバニアというクリームでこんな作用が得られることは医学的に考えて100%ないです。医師として断言します。

ポイント3 テレビで紹介されたという文言に騙されるな

少し進むと有名なTV番組で紹介されたという文言が出てきます。

テレビで話題の化粧品

画像は「http://trend-wave.info/2018/04/13/albinia_im_fs_pc/」から引用

最初に「ガッテンで紹介」と記載があるので、ためしてガッテンで紹介されたんだと思い込んでしまう方も多いでしょうが、「アルバニアSP」という化粧品がためしてガッテンで紹介されたことは一度もありません。

有名TV番組と書かれると、「テレビに放映されるくらいだからすごいに違いない!」「え?あの番組かな?その回、私見逃しちゃったのかな。」などと考えてしまう方もいるようですが、これらの宣伝文句は嘘か、かなり嘘に近いです。

嘘と断言しなかったのは理由があります。それは、テレビCMや通販番組、地方のマイナー番組などで商品を宣伝していることが稀にあるからです。それらを有名番組というカテゴリーに入れることは、ほぼ嘘に近いのですが、逃げ道として「テレビで紹介されたのはホントです!」と言えるようにしているケースもあります。

「マツコのあの番組で~」「ガッテンで~」「ホンマでっかTVで~」などと、有名人や有名な番組名を書いて、テレビのキャプチャー画面を広告の途中に挿入して、あたかもそこで特集や取材をされたかのように書いてる広告もありますが、それは虚偽の広告です。成分自体をテレビで扱うことはありますが、化粧品の商品を広告や宣伝以外で紹介することはまずありません。また、成分について専門家が発言したコメントを、あたかも自社の商品のコメントのように載せているものもあります。さらに悪質なものだと、テレビのキャプチャー画面を捏造したりしている例もあります。

このような広告の中では、テレビで紹介されたと書かれていても「ためしてガッテン、何月何日何時放送のこの部分に当社の化粧品が紹介されました。」などと、正式な番組名と放送年月日、時間がきちんと書かれていることはありません。

そのように書いてしまうと、すぐに調べられて嘘だと消費者にバレてしまうからです。つまり、「もしかして、私が見てなかっただけで、放送されていたのかも!」と消費者に思い込ませ、騙すことが広告会社にとって肝心なのです。

口コミはアフェリエイトサイトやステマサイトばかり

この項は、一般論として書いています。

私は騙されないぞ!と思って、ネット検索をする人用に、広告会社はたくさんのライターを雇ってその化粧品の口コミを書いておきます。

ポイント4 不自然な口コミサイトに注意

消費者に検索されるであろうキーワードを先取りして、ステマサイトを量産するのが、今の化粧品広告のやり方です。本当に効果があるのだろうか?と購入前に「化粧品名 効果」「化粧品名 評判」などと検索するユーザーは結構多いものです。そうすると、検索結果はあらかじめ広告会社が作っておいたサイトで埋め尽くされます。

そこには、「使ってみたらシミが消えた!」「効果があった!」「芸能人も使ってるらしい!」などとポジティブな情報が沢山書かれており、「やっぱり効果あるんだ!」と思って購入してしまう方が後を断ちません。

そういう雇われたライターが書いた記事は、ほとんどが公式サイトへ誘導するリンクが貼ってあり、よく見れば不自然なものばかりです。普通の方であれば、すぐに怪しいとわかるのですが、オレオレ詐欺に引っかかってしまう人がいるように、「まさかこんなのに騙されないよな」と思うようなサイトでも、それに騙されてしまう方が沢山おられます。

ポイント5 ネガティブワードで検索しても不自然な情報しかない場合は注意

注意深い方は、効果を調べただけでは飽き足らず、マイナスの情報がないかを検索します。例えば「化粧品名 嘘」「化粧品名 効果なし」などで検索すると、これまた広告会社が前もって用意したサイトに誘導されてしまうことになります。

化粧品会社は、自社の製品がシミを取る効果なんてないことを知っています。なので、嘘の広告を打ちまくって商品が売れた後に、「全然シミが消えないじゃない!」という怒りを持った人の口コミやブログが拡散するのを防ぐ必要があります。

そのため、ネガティブなキーワードで検索が引っかかるように、沢山のサイトをライターに作らせるわけです。そうすると、ネガティブワードで検索した際に、業者のサイトばかり出てきて、「効果がない?という口コミもあるけれど、私のシミには効果があった!」「効果がないと言っているひとは、使い方が間違っているだけ。2ヶ月以上使ってみて!」などと、ポジティブな情報にすり替えていきます。

ひどいものだと、「シミを消す効果はないよ!あれは、勝手に誰かが嘘を書いているだけ!でも私のシミは消えはしなかったけど、少し薄くなった!お肌にも優しくて保湿もこれだけでバッチリだから、シミ以外で悩む人も使ってみて!」などと、詐欺広告を第三者のせいにして、シミから論点をずらして商品を推奨しているものもあります。(第三者が第三者を批判しているような書き方をしていますが、なんなんでしょうね)。

いや、それあなたの会社が広告会社やライターにお金払って書かせたんでしょう…。第三者が勝手に詐欺広告書いて、自社の信用を傷つけているのなら、偽計業務妨害で訴えたほうが良いでしょうね。

ある程度信頼できる口コミを調べるには、アマゾンなどの一般の方が投稿できるレビューを読むのが良いでしょう。例えば「アルバニアホワイトニングクリーム」のレビューはこちらから見れます。

しかし、最近は、一般のユーザーにレビューを書かれないように、アマゾンレビューなどにサクラで星5つをいくつか投稿し、その後売り切れにして、それ以上のレビューを投稿させないようにするといった手法も見受けられます。

医学的に証明された効果

この項は、一般論として書いています。

最近というか、結構昔からですが、「医学誌に掲載されました!」「厚生労働省が認めたその効果!」「医師が推薦!」など、医学的な権威と結びつける売り方が増えています。

厚生省が認めている美白成分はいくつかありますが、全て「しみ、そばかすを防ぐ」という予防美白効果だけで、できたシミを消すという効果を認めている成分は一つもありません。

にもかかわらず、医薬部外品に認可されている成分を配合しただけで、あたかも「シミを消す効果を厚生省が認めた」かのように錯覚させる広告ばかりです。

ポイント6 医学的にシミを消す効果は嘘

医学的にシミを消す効果が証明されている化粧品、医薬部外品は存在しません。中には「医療用成分」配合だから効果がある!みたいに書かれているサイトがありますが、医療用成分(だいたいはトラネキサム酸やハイドロキノンだったりします)を配合していたとしても、医薬部外品にそのような効果は期待できません。

医学誌に掲載されたと聞くと、なんだかすごい!と思ってしまう方もいるでしょうが、はっきり言ってロクでもない論文ばかりです。しょうもない医者が化粧品会社からの見返りをもらって書くことほとんどですが、当然大きな学会誌や医学誌に載せることはできず、インパクトファクターもつかない小さな医学誌に載せます。

ごく小規模な試験で、エビデンスレベルが低い論文を書いて、費用を払って掲載してもらい、それを大々的に医学誌に載ったと宣伝するわけです。

そのような論文を載せる医学誌は、今や読んでいる医師は非常に少なく、発行部数も低迷し、論文を載せる際の掲載費用などが重要な収入源となっています。健康食品や化粧品、健康器具などの「これ、ほんとなの?」というような内容の論文が沢山載っており、ますます雑誌の信用度が落ち、読む医師がさらに壊滅的になるという悪循環に陥っています。(もちろん中にはきちんとした雑誌もあり、きちんとした論文もあります。)

インスタグラムは信用できるものを

ツイッターやインスタグラムなどで、美容アカウントやインフルエンサーが投稿した化粧品を買ってしまった人もいるかも知れません。だいたい、誇大広告サイトでは、「いまインスタグラムで大人気!」「SNSでブーム!」などとともに、SNSに投稿されたコメントと写真が載っていたりします。

大体の写真は、化粧品を顔の横に持ってお勧めしている画像です。1ヶ月に何本も違うシャンプーを宣伝している有名人がいたりして、見る人が見れば、一発でステマということがわかるのですが、本当にその有名人のファンだったりすると、コロッと騙されてしまうこともあるようです。

ポイント7 SNSは信用できるか判断を

良い商品で本当に推薦している可能性もありますが、その人の過去の投稿をよく読んで、不自然でないか、過去にいろいろな商品を宣伝してないか、などを確認してから判断しましょう。

ひどいサイトだと、インスタグラムのキャプチャー画面が載っているにもかかわらず、そのユーザーを検索しても出てこなかったりします(いいねがやたら沢山ついていたり、完全に模造されたものもあります)。

ポイントのまとめ

ポイントをまとめておきます。

  1. 消費者を煽る広告文には騙されないように
  2. 化粧品サイトの写真は嘘だらけ
  3. 「TVで紹介された」という宣伝文句に騙されるな
  4. 業者が作った不自然な口コミサイトに注意
  5. ネガティブワードで検索してもポジティブな情報ばかりは注意
  6. 「医学的に証明された」は疑ってかかれ
  7. SNSのコメントは、信用できるか判断を

上記の観点から、最初に掲示した「本当に消えるの!?皮膚科医も認めた「シミのクリーム」が凄すぎ」というシミトリー、simiTRYという商品のスポンサーサイトを見てみてください。また、口コミサイトやネガティブワードでの検索もぜひやってみてください。信頼できる商品かどうかはあなたの判断におまかせします。

アフェリエイトサイトやステマサイトのせいで、検索をしても正しい情報が得られなくなってきました。正しい情報を書いているサイトがあったも、業者のサイトに埋もれてしまっている現状があります。当サイトはリンクフリーのため、記事が良いと思った方はぜひブログなどで紹介してください。そうしてもらことで、当記事が検索で上位に表示されやすくなります。

フェイクニュースや嘘情報が氾濫しているせいで、ネットリテラシーがない人は、「ググれカス」から「ググってもカス」になってしまったと言われています。つまり、情報をグーグルで検索しても、正しいか正しくないかを判断できないの人は、カスはカスのままになってしまうという意味です。ネットリテラシーを身につけ、正しい情報を取捨選択し、怪しい広告に騙されないようにしましょう。

ちなみに、当ブログで行っているのはスポンサーサイトの「引用」であり、正当な範囲内で行っている著作権法32条に基づいたものです。稀に削除依頼をしてくる方がおられますが、正当な理由以外で当方が応じることはありません。また、アフェリエイト、ステマ、スポンサーサイトも含めて、公式サイト以外の広告サイトでも薬機法違反の対象となりますので、ご注意ください。

アイキャッチ画像は「http://trend-wave.info/2018/04/13/albinia_im_fs_pc/」から引用

肌のクリニック 院長

岩橋 陽介

岩橋 陽介

東京のニキビやレーザーによるシミ・ニキビ跡治療などを専門とする美容皮膚科です。医師・薬剤師である涌水DRにも時々記事を書いてもらっています。 [医師紹介]

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