美肌ブログ | 肌のクリニック

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レーザー治療によるシミ取りの効果

time 2018/07/19

シミのレーザー治療は一般的になっていますので、美容皮膚科や美容外科でシミを消した経験のある方は沢山おられると思います。

シミ取りをしたことはあっても、レーザー中に本人は見ることができませんので、今回は当院の患者さんにご協力いただき、どのようにシミを治療しているか、治療後の経過、より効果的にシミを取るコツなどを紹介していきます。

レーザーのシミ取り治療

まず、肌のクリニックのシミレーザー治療の動画をご覧ください。40秒ほどです。

レーザーの種類

シミを取るためのレーザーは、Qスイッチレーザーを使います。Qスイッチヤグレーザー、アレキサンドライトレーザー、ルビーレーザーの3つが主に使われます。

Qスイッチとは、パルス幅がナノ秒のレーザーのことです。もっとパルス幅が短いピコレーザーや、長いロングパルスでもシミは取れます。ただ、ロングパルスよりも、より副作用が少なくきれいに取れる、Qスイッチ、もしくは、ピコを使うことが一般的です。

ナノ秒以下であれば、Qスイッチでもピコでも、シミ消しの効果に大きな差はありませんので、どちらを選んでも構いません。

手順

レーザー治療は、以下の手順により行います。

  1. テスト照射を行い出力を決定
  2. シミの辺縁からレーザーを照射
  3. 保護テープを貼る

たった3つの手順で治療が終了しますが、単純なようで大切なポイントがいくつかあります。

テスト照射を行い出力を決定

まずシミに1発レーザーを照射します。そうすると、当てた部分が白く変色します。これはIWP – immediate whitening phenomenonと呼ばれる現象です。

IWPが起こると、メラノサイトの中にあるメラニンを合成・貯蔵するメラノソームという小器官の選択的破壊が起こります。IWPが生じないほど弱く当てても、逆に強すぎても、レーザー照射後の炎症後色素沈着(PIH)が誘発されやすくなります。IWPがきちんと起こるかは、シミの取れやすさに関係してきますので、出力が適正かどうかを判断する指標になります。

シミの辺縁からレーザーを照射

シミの辺縁は取り残しが多いため、一回り大きめに同心円状にレーザーを照射していきます。外側から内側に徐々に狭めていき、隙間が空かないように細かく当てます。ただし、同じ部位にレーザーを重ね打ちすると、炎症後色素沈着(PIH)が起こりやすくなるため、なるべく重ならないようにするのもコツです。

動画の患者さんは皮膚のハリがあるため、そのまま照射していますが、ご高齢者のシミを取る場合は、片手でシワをしっかりと伸ばしながら照射することが大切です。シミがシワに重なっていると、レーザー光がシミに届かなかったり、打ち漏れが発生するためです。

レーザー光は直進するので、ハンドピース(レーザーの先端部分)を常に真っ直ぐに保つことも重要です。顔の左側のシミは、左手で照射できるようにするとハンドピースを真っ直ぐに保て、なおかつ、患者さんに無理な姿勢を強いることが少なくなります。

保護テープを貼る

怪我をしたときは、昔は赤チンと絆創膏(バンソウコウ)が定番でした。現在は、消毒はせず、水道水で洗い流してキズパワーパッドを貼り、傷口を乾かさないように治す「湿潤療法」が主流です。やけどをした後も、絆創膏よりも湿潤療法を選択した方が、火傷跡が残りにくくなります。

レーザー後に絆創膏を貼る施設もありますが、できればドレッシング材と呼ばれる、湿った環境を保てるテープのほうがPIHが起こりにくく、経過が良くなります。

肌のクリニックでは、ドレッシング材としてエアウォールUVを採用しています。特徴は、透明で目立たない、紫外線をしっかりカットしてくれる、薄くて貼っていても違和感がない、上からメイクも可能など良いこと尽くめです。

エアウォールUV

上の写真は、患者さんのレーザー照射直後のものですが、青矢印のシミの上にエアウォールUVが貼られているのが分かりますでしょうか?実際に見ても、ほとんどの人は気づかないレベルです。

デメリットとしては、透明であるが故、テープの下に出来たかさぶたが透けて見えてしまうことです。大きなシミを消す場合は、かさぶたが目立つため、透明なエアウォールUVよりも、半透明のハイドロコロイドパッチを使うほうが良いでしょう。

最も大切なことは、保護テープをできるだけ長く貼りっぱなしにしておくことです。10日以上、できれば2週間貼っていただいたほうが、綺麗で新しい肌が生まれやすくなります。テープを頻繁に剥がしたり、かさぶたを取ってしまったりすると、シミが戻りやすくなりますのでご注意ください。

シミレーザーの経過

モニターを引き受けてくださった30代の患者さんのシミ治療前後の写真を掲載します。お顔全体に細かなシミもありますが、今回の治療では、お化粧でも隠れにくい大きなシミ2箇所の治療を希望されました。

レーザー前

シミレーザー前の写真

シミレーザー前の写真

治療前の写真です。赤い矢印の2箇所のシミを治療します。シミの種類は、最もよく見られる老人性色素斑です。主に加齢や紫外線の影響で起こります。

レーザー直後

シミレーザー直後の写真

シミレーザー直後の写真

レーザー治療直後の写真です。シミの部分が白くなるIWPという現象は、レーザー照射後10分ほどで消失します。照射後1分ほどすると、照射した辺縁から周囲が、蕁麻疹のように赤くむくんできます(浮腫性紅斑=ふしゅせいこうはん)。写真でも見られるこの赤みと腫れは、翌日にはかなり軽減します。

エアウォールUVを貼っていますが、テープが貼ってあるかどうかわからないほど、全然目立ちません。

2週間後の写真

シミレーザー2週間後の写真

シミレーザー2週間後の写真

レーザーを照射してから、2週間後の写真です。指導を守って、2週間しっかりと保護テープを貼っていてくれたおかげで、きれいにシミが取れています。

赤みがかった白い肌が新しく生まれてきますが、この赤みや白さは、徐々に周囲の肌の色に馴染んできます。

老人性色素斑の場合、一回で取れることが多いのですが、濃いシミや大きなシミは一度で完全に取り切れないこともあり、その場合は半年後に再度レーザー照射が必要となります。

逆に色が薄すぎるシミもレーザーに反応しにくいため、濃くなるまで待ってから治療をすることもあります。

1~2回レーザー治療をすれば、ほとんど気にならないレベルにシミを除去することが可能ですので、今まで何年も美白ケアを頑張っていた患者さんは、あっさりとシミが取れて驚く方もいらっしゃいます。

治療後は、約4割の患者さんに戻りジミと呼ばれる、レーザーによる炎症後色素沈着(PIH)が起こってきます。当院では、術後の指導を守ってくれる患者さんが多いので、戻りジミの率は3割以下と、かなり低くなっています。

戻りジミは、半年で99%が消失しますので、シミが戻ったとしてもあまり心配しないようにしましょう。ただし、半年経って消えないシミには、再照射が必要です。戻りジミを早く消したいという方へは、トレチノイン・ハイドロキノン療法やレーザートーニングを行います。

シミレーザーの料金

美容皮膚科のレーザー治療は料金が高いのでは?と思われる方も多いと思いますが、上記の患者さんで言うと、治療費は大きなシミ2つで24,000円です。価格の内訳は、10mm以内のシミが8,000円、20mm以内のシミが16,000円です(診察料、テープ代は別途)。

安い値段ではないかもしれませんが、シミに効果のない高級美白化粧品を何年も使ったり、シミが消えるという怪しい化粧品に何万円もかけたりするよりは、ずっと安い料金ではないでしょうか?

参照 : 「シミが消える化粧品なんてあるの?」「シミが剥がれる化粧品の嘘広告に注意

当院では5mm以内を4,000円で計算していますが、これは直径です。形がいびつな場合、長径と短径の平均で算出します。10mm以内なら8,000円、15mm以内なら12,000円と計算も単純で、シミが多数ある場合は割引もあります。

「肌のクリニック」のレーザーによるシミ取りや、価格などについて詳しくは、ホームページの「シミ治療」をご覧ください。

「レーザーによりシミ取り1mmあたり500円!」と激安価格を売りにしているクリニックもありますが、10mmのシミなら5,000円で取れると思って行くと、1mm×1mm=1平方ミリメートルあたり500円で、直径10mmの場合は10mm×10mm=100平方ミリメートルで5万円だったなどという話も聞きますので、診察時にしっかりと料金を確認しておきましょう。

当院では、最近、男性でもシミを取る方が増えてきました。夏にレーザーをしても、エアウォールUVが紫外線をカットしてくれるので問題ありません。手軽に皮膚科でシミが取れる時代になったと言えます。長年シミにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

医療法人社団 肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の皮膚科・美容皮膚科・内科医 [医師紹介]

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