美肌ブログ | 肌のクリニック・高円寺院・麹町院

こちらのブログはリライトしてHPへ徐々に移設する予定です。ニキビやニキビ跡、シミ治療、化粧品、プラセンタなど、キレイな肌になるための美容情報を皮膚科医の視点から発信します。化粧品業界や美容業界の問題点にもメスを入れていきます。

ニキビ跡の凹みとサブシジョン症例写真

time 2019/02/04

サブシジョン(subcision)とは、ニキビ跡の凹みを治す小手術です。ニキビ跡の中でも主にローリングタイプのものに適応されます。ニキビの凹みの分類については、当院のHP「凹凸・クレータの治療」をご覧ください。

参考:「Acne Scar Subcision」J Cutan Aesthet Surg. 2010 May-Aug; 3(2): 125–126.

サブシジョンの原理や効果については、以前ブログに記載した「サブシジョンのニキビ跡への効果」をご参照いただくこととし、今回は、実際に当院でサブシジョンを受けられた方の症例写真を提示しながら解説していきます。

ニキビ跡の凹みの観察方法

ニキビ跡のクレーターに悩んでいる方は、日によって凹凸が目立ったり目立たなかったりということを経験されていると思います。それは、光の当たり方によって見え方が異なるためです。

くっきりと凹凸を浮き上がらせるには、周囲の明かりを暗くし、LEDライトをお顔の接線方向から照らして見ると良くわかります。LEDライトは100均などで売っている懐中電灯で十分です。光が拡散するものより、直進性のあるものの方がよりはっきりと陰影が出ます。

ニキビ跡の凹凸の観察方法
ニキビ跡の凹凸の観察方法

下記の写真は、連続して撮影した同じ患者さんの写真ですが、左側が通常のLED照明下で撮影した写真で、右側がLEDライトを接線方向から照らして撮影した写真です。白い矢印部分の凹みの見え方が全然違うことがわかるかと思います。

光の当たり方によるニキビ跡の見え方の違い

インターネットでビフォーアフターの写真を見ていると、この光の当たり方を利用して、ニキビ跡の凹みや毛穴が改善したかのように見せているものもありますので注意が必要です。実際にはニキビ跡の凹みや毛穴の治療は難しく、そう簡単に治るものではありません。

サブシジョンの効果

実際に当院でサブシジョンを行った患者さんの写真を掲載し、治療効果やリスクなどを解説していきます。(※写真を掲載させていただいている患者さんにはモニター同意書をいただいております。)

サブシジョンの症例写真

下記の写真はサブシジョン治療前の写真です。赤矢印で示す部分には、大きなローリング型の凹み(ニキビ跡)ができており、こちらにサブシジョンを行いました。

サブシジョン治療前

サブシジョンでは必ず局所麻酔を必要としますが、局所麻酔を打つと皮膚が腫れるため、どこに凹みがあるか正確にわからなくなります。そのため、麻酔を打つ前にLEDライトで凹み部分を確認し、手術用の滅菌ペンで凹みをマーキングします。

その後、凹んでいるニキビ跡に対して、医療用の針で皮下の癒着(ゆちゃく)している組織を剥離(はくり)し、ヒアルロン酸を注入して患部を盛り上げて平らにします。

下記の写真は、サブシジョン治療後の写真です。必ずLEDライトでフラットに仕上がっているかを術後確認しています。

サブシジョン治療後

効果の持続

「サブシジョンはどれくらい効果が持続しますか?」というご質問をよく受けますが、効果の持続期間は永遠ではありません。架橋された硬めのヒアルロン酸を使用するため、ある程度は長く続きますが、それでも1年~2年程度で吸収されてしまいます。そのため、また凹みが気になってきた際に再注入が必要になります。

ヒアルロン酸の吸収速度は、注入部位や術後のケアによっても異なり、よく動く部位は吸収されやすく、手で押したりマッサージをしてしまったり、頻繁に触ってしまうと吸収が早くなります。また、個人差も相当大きいのが実情です。

治療後にできる限りフラットな状態に仕上げますが、数ヶ月で徐々に吸収されてしまう場合もあります。 当院では、1回の治療で約30%程度の改善率と説明しています。

凹みが戻ってしまう場合は、1カ月以上間を空けていただき、再度施術を行います。

ヒアルロン酸が吸収されても、凹みが完全に元の状態に戻ることはありません。皮下の癒着は剥がれており、自己のコラーゲン産生も促されるため、以前より凹みは浅い状態で留まります。また、同じ位置に回数を重ねていくことで、持続期間が長くなり、より凹みは目立たなくなります。

ヒアルロン酸が吸収されず「被包化(ひほうか=結合組織で囲まれること)」された状態で残ることもあります。その場合、長期間効果が続くことになります。

当院では行っておりませんが、海外では、ベラフィルなどの非吸収性の注入剤も使用されています。非吸収性のものは、一度注入すると元には戻せませんので、リスクが高くなります。

サブシジョンの治療費

当院では、サブシジョンの費用は1箇所39,800円です。近接している凹みでも、2箇に渡る場合は、2箇所分の料金がかかります。費用にはヒアルロン酸代や麻酔代も含まれていますが、診察料や術後のテープ料は別途実費でかかります。

詳しい治療費は、当院HPの「凹凸・クレーターの治療」をご参照ください。

掲載させていただいた患者さんは、何箇所かすでにサブシジョンを行っておりますが、今回掲載したものは39,800円で施術を行いました。

良心的な価格を心掛けていますが、意外に細かい作業と注意が必要であり、時間もかかるため、いずれは価格の改定が必要だと考えています。

サブシジョンのリスクと副作用

診察時に説明用紙で、施術内容や副作用についてのインフォームド・コンセントを取っていますが、医療広告ガイドラインの改定で、HPやブログにビフォーアフター写真を載せる場合は「リクスや副作用を明記すること」となっているため、こちらでも記載いたします。

サブシジョンの適応をきちんと選び、手技をしっかりと行えば、リスクは決して高いものではなく、安全な小外科手術に入りますが、それでも一般の小外科手術と同様に、出血や感染のリスクはあります。

主な副作用は、 内出血、腫れ、むくみです。腫れやむくみは数日、内出血は1~2週間程度で治まります。

患部を盛り上げるために、安全性の高い注射用のヒアルロン酸を使用していますが、近年ヒアルロン酸の遅発性アレルギーによる「異物性肉芽腫」が報告されています(当院の患者さんでは一例もいません)。

非常に稀なリスクとして、神経損傷やヒアルロン酸が血管内に入ってしまった場合、動脈塞栓、皮膚壊死、失明などが報告されています。これらは主にプチ整形でのヒアルロン酸注入時に報告されている副作用になりますが、リスクを完全に排除はできないため、当院では診察の際に必ず説明しています。( 当院では、こめかみや目の周囲など、神経や血管の多い場所へのサブシジョンを行っていない関係で、過去に一例もありません。)

書いている人

岩橋 陽介

岩橋 陽介

東京の皮膚科・美容皮膚科「医療法人社団 肌のクリニック」の医師・院長をしています。 [医師紹介]

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