美肌ブログ | 肌のクリニック・高円寺院・麹町院

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洗顔・肌の最外層の角層をケアする2

time 2019/02/15

こんにちは。

前回の「保湿・肌の最外層の角層をケアする」では、保湿という観点から、角層ケア(コルネオセラピー)の重要性についてお話しました。

ただ、角質をケアする上で大切なのは、保湿だけではありません。今日は、保湿以外の観点から、角質ケアについてお話していこうと思います。

敏感肌

当院の「調剤化粧品」処方希望の初診で記載いただく問診票には、ご自身の肌質についての質問事項があります。調剤化粧品を希望される方は、なかなか肌に合う化粧品がない患者さんが多く来院されるため、すでにバイアスがかかっているのだとは思いますが、「敏感肌」の項目にチェックをいれる方は非常に多いです。

敏感肌とは、特に明確な診断基準があるのではなく、主観的な症状となります。医師や専門家が判断する診断名ではありません。

ただ、一般的には、例えば化粧品や、気温や湿度、紫外線などの環境の変化といった外的要因に対して、過敏に反応する肌質のことを総称して敏感肌と呼んでいます。

他覚的な基準があるわけではないので、曖昧ではありますが、敏感肌では、角層のバリア機能が低下し、刺激閾値が低下しているため、やはり角質ケアが重要です。

肌診断

たまに、患者さんから、自分の肌が乾燥肌なのか、脂性肌なのか診断してほしいと相談をうけることがあり、その日の肌の状態や、普段のケア、普段の肌コンディションなどを確認して、適切なアドバイスを行っています。

診察時でのワンポイントで肌質を判断することは、なかなか難しいです。肌質を判断する方法としては、角質水分計や、油分測定器などがあります。当院でも角質水分計があり、昔に院長がこまめに患者さんの肌を測定していたようですが、再現性が低く、そのうちスタッフのおもちゃになってしまいました。

実際、角質水分計は、一定の環境で、一定の部位で、同じ条件下(保湿剤は計測何時間前までとする、等)で測定しないと正確な測定、比較はできません。

また、女性の場合、生理の周期によって皮脂量は変化しますので、どの周期のどのタイミングでとるかによっても判断がかわってくるかと思います。

その他、画像撮影型の肌診断測定器もあり、以前のクリニックで扱っていたことはありましたが、条件を一定で測定できなかったこともあり、やはり再現性が高くなく、肌診断の参考にするにはいまいちでした。

結局、自分の肌は、自分でしっかりと見つめて、賢くケアしていくのが一番です。

肌質の個人差はあるものの、今の季節は湿度が低く、肌の乾燥が気になる方は多いでしょう。湿度が低くなると、角層からの水分蒸散が亢進するため、肌は乾燥しやすくなります。

角質ケアのためにも、加湿器を使って湿度を保つことをおすすめします。

過剰な水分

角質水分量の重要性をお伝えして参りましたが、一方で、過剰な水分にもよくありません。

角層機能が低下していると、水分量の多い製剤は刺激となってしまいます。

長時間のローションパックは、肌をふやけさせ、肌バリアが低下し、実はその後の乾燥の原因となることがあります。

肌が荒れている時には、長時間の入浴も、同様に刺激になるので、注意が必要です。

洗顔料

洗顔についても同様に、界面活性剤の肌への負担をへらすために、短時間で終わらせるのが望ましく、適切な洗顔剤の選択が健やかな肌を保つ鍵になります。

洗顔では、皮脂やメイクなどの油性成分を浮き上がらせて、水で洗い流す必要があるために、親油性と親水性を併せ持つ界面活性剤を使用することとなります。

当院ではニキビ治療で通院される患者さんが多いのですが、皮脂から由来する遊離脂肪酸がニキビの悪化要因となるため、適切に肌を洗浄する必要があります。

ただ、界面活性剤は刺激性の高いものも多いため、低刺激性の界面活性剤を選びましょう。

一般には、アミノ酸系界面活性剤は、通常の脂肪酸石けんと比較して、洗浄後の角層中のNMF量(天然保湿因子量)が保たれ、刺激性も低いことがわかっています。

参考:押村英子「ヒトと地球にやさしく洗う-低刺激・天然系洗浄用界面活性剤の開発と応用-」

通常の無添加石けんは、アルカリ性が強くて刺激を感じる方は多くいます。一方で、水分と混ざると金属石鹸へと変化し、すぐに界面活性作用が消失するため安全性が高く、長時間洗ったりしない限りは使用しても問題ありません。

当院でも、アミノ酸の弱酸性石鹸を院内で調剤していますので、肌が弱い方は、ぜひお使いになってみてください。「クリニックの弱酸性石鹸」

クリニックの弱酸性の石鹸についても触れましたが、弱酸性下と比較すると、アルカリ条件下のほうが角質細胞間脂質の溶出しやすくなります。

角層はアルカリ性に傾くと乾燥しやすくなりますので、お肌が弱い方や乾燥肌の方は弱酸性の洗顔料をおすすめしています。

界面活性剤については、以前記載した下記の記事もご参照ください。

よく、「皮脂が多いのでしっかり洗顔したいのですが、洗いすぎはよくありませんか?」と質問をいただきます。

長時間洗顔すると、皮脂や、天然保湿因子や角質細胞間脂質が過剰に流出してしまいます。

皮脂については洗顔後に除去されても、その後に短時間で回復することが多いのですが、天然保湿因子や角質細胞間脂質は回復に時間がかかります。

そのため、洗顔は1日2回までとし、短時間で終わらせるのが良いでしょう。洗浄成分が肌に残るのも良くないので、十分にすすぎを行ってくださいね。

たまに、メイククレンジングを使って肌をマッサージされる方がいますが、肌の負担になるのでお勧めしません。

水温は高すぎると皮脂の漏出が高まるとされておりますので、30℃以下のぬるま湯で洗顔しましょう。

発泡性のある洗顔剤であれば、十分に泡立てて使用したほうが、表面積が大きくなるため、界面活性剤の濃度が下がり、刺激性を下げることができます

ただし、発泡性の高さは、界面活性剤の種類によって異なります。つまり、必ずしも、泡立ちが良い=刺激性が低いとはならないため、注意しましょう。

また、摩擦も角質に負担をかけるため、肌をなでるときや、水分を拭き取る時は、こすらないように優しくケアしてください。

以上、2回にわたって角質ケアについて説明しました。ケアの参考になさってくださいね。(前回に続き、涌水医師が記事を担当しました。)

書いている人

岩橋 陽介

岩橋 陽介

東京の皮膚科・美容皮膚科「医療法人社団 肌のクリニック」の医師・院長をしています。 [医師紹介]

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