肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

プラセンタ注射製剤の全国的な不足と重大な問題

time 2015/12/12

ヒトプラセンタ注射製剤のラエンネック、メルスモンが全国的に不足しています。昨年から慢性的に不足しており、ここ最近はかなりの供給不足となっていて、どこの医薬品卸に聞いても少量しか卸してもらえません。当院では、安定的に在庫を確保できないため、新規のプラセンタ注射予約を停止いたしました。(12/18再開いたしました)

プラセンタの需要は国内でも右肩上がりなのですが、不足している原因は国内ではなく、海外(中国)にあると推測しています。中国では日本製のプラセンタ製剤が安全性などの面から非常に人気があり、日本の10倍程度の価格で売られています。やせ薬である「マジンドール」を中国へ大量に横流しした医師が逮捕されましたが、プラセンタでも同様のことが行われています。

医薬品のため、当然一般の方は売買することは薬事法違反にあたります。しかし、「中国、掲示板、ラエンネック」などで検索すると、中国人向けの掲示板では、公然と売買が行われていることがわかります。

一般の方はヒトプラセンタ製剤をどのように入手して、中国へ販売しているのでしょうか?それは、マジンドールと同様の手口だと推測しています。医薬品は製薬メーカー→医薬品卸企業→薬局・病院・クリニックという流れで一般の方への治療に使用されます。この流れのどこかで、違法な横流しが横行していると思われます。大量に仕入れて、それを患者さんへ使用せずに闇ブローカーへ売りさばくといった医師や、高値で横流ししている卸企業の社員がいるのは、ほぼ確実であろうと思っています。

昨年から厚生省や製薬メーカーには私個人として、何度か上記の苦情を申し立てましたが、なしのつぶてでした。メーカーは売れれば良いのでしょうし、厚生省はネットの情報程度では本格的な捜査には乗り出せないという事情があるのでしょう。となると捜査権限としては警視庁ということになるのかもしれませんが、全国の患者さんから不満の声が大きくなり、本格的な捜査が行われ、違法な業者や医師が捕まることを願うばかりです。

追記

2016年後半からは、ラエンネックを製造している日本生物製剤が、新しい生産ラインを作って、生産能力を増強させたため、不足することは当面なくなりました。

また、当院にも「プラセンタ注射を売ってほしい。」という中国人のブローカーからメールがありました。(やっぱりという感じです。)中国人のブローカー曰く、中国のたくさんの病院と提携しており、注射剤は持ち帰って、病院で適法に扱うからとのことでしたが、「院内で注射をする以外は、注射製剤をそのまま処方することはできない。」と返信して、断りました。

その他にもマレーシアから旅行中の患者さんが、プラセンタ注射を打ちたいとのことで当院へ来ましたが、その際に「プラセンタを売ってくれないか?」と持ちかけられ、当然断りましたが、すでにその患者さんはメルスモンを1箱(50アンプル)持っていました。

どこから購入したのか尋ねると、ネットで探したブローカーからだそうです。値段を聞いたところ、卸価格の4倍の価格でした。

 

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]