肌のクリニック院長の肌ブログ

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ミニピルの飲み方、副作用、服用上の注意

time 2016/01/16

ミニピル(mini-pill, progestogen-only pill, POP)は、女性ホルモンが入っていないため、血栓症のリスクがほとんどなく、授乳中にも飲むことができることは、前回の「ミニピルの種類と特徴、血栓症のリスク」で詳しく書きました。安全な低用量ピルよりも、さらに安全な経口避妊薬として、特に血栓症のリスクが増えてくる35歳以上の女性では一つの選択肢に入る薬です。しかし、配合している黄体ホルモン量は非常に少ないため、服用上幾つか注意しなければならない点があります。

ミニピルの飲み方と服用上の注意

最初の1錠は、生理の初日~5日目の間に飲みます。毎日、1日1回1錠飲んでください。食前、食後は関係なく、一定の時間に飲みます。低用量ピルと異なり、ミニピルには休薬期間がありません。一度飲み始めたら、毎日ずっと飲み続けていきます。ミニピルの 飲み始めの1週間は避妊効果がありませんので、他の避妊方法を併用します。

注意しなければいけない点は、低用量ピル(通常の混合ピル)の場合、数時間程度であれば飲むタイミングがずれても避妊効果に影響はありませんが、ミニピルの場合は、黄体ホルモン量が微量なため、3時間以内のずれにしなければなりません。3時間以上飲むタイミングがずれたり、飲み忘れがあったりした場合には、避妊効果が薄れ、不正性器出血が起こりやすくなります。低用量ピルよりも、よりシビアに一定の時間に飲む必要があります。

ミニピルの副作用

不正性器出血

ミニピルは、ホルモン量が少ないために、どうしても不正性器出血が起こりやすくなります。飲み始めの数ヶ月間は、ほとんどの方で不正性器出血が起こります。休薬期間がないため、生理(消退出血)が起こらなくなる方が多いのですが、不定期に少量の出血が起こる方もいます。また、通常通りの周期で生理が来る方もいます。いずれの場合も異常ではありません。

乳がんのリスク

ミニピルの場合は、女性ホルモンが入っていないため、乳がんや子宮頸がんを増加させないのではないかと考える医師もいますが、正しい可能性も、正しくない可能性もあります。現時点では低用量ピルよりもリスクはずっと低いものの、乳がん、子宮頸がんのリスクを若干上昇させ、子宮体がん、卵巣がんのリスクを低下させるという小規模の報告があります(報告例※1)。ユーザーが低用量ピルよりも少ないため、大規模なリサーチは行われておらず、がんのリスクについては、いまだはっきりとわかっていません。 ※1Collaborative Group on Hormonal Factors in Breast Cancer. Breast cancer and hormonal contraceptives: collaborative reanalysis of individual data on 53 297 women with breast cancer and 100 239 women without breast cancer from 54 epidemiological studies. Lancet 1996;347: 1713-27

血栓症のリスク

前回のエントリーで詳しく考察したように、ミニピルが血栓症のリスクを有意に増加させるという報告はありませんが、中用量のプロゲステロン単独製剤では血栓症のリスクが増加するという報告があります。

10%以下の方に起こり得る副作用

気分変調、抑うつ、性欲減退、頭痛、吐き気、ニキビ、乳房痛、不定期の出血、体重増加

1%以下の方に起こり得る副作用

膣感染症、コンタクト挿入時の違和感(困難感)、脱毛、月経痛、卵巣のう胞、倦怠感

0.1%以下の方に起こり得る副作用

皮膚の発赤、蕁麻疹、結節性紅斑

ミニピルが飲めない方

ここでは当院で処方しているミニピルの「セラゼッタ」について書いています。

1.過去にデソゲストレル配合の薬(マーベロン、ファボワール等)でアレルギーを起こした方
2.血栓症の既往のある方
3.重篤な肝障害、悪性腫瘍(乳癌等)、異所性妊娠の既往がある方
4.原因不明の性器出血がある方
5.乳糖不耐症、乳糖アレルギーのある方(セラゼッタには乳糖が含まれています)
6.ポルフィリン症の方

その他、慎重投与となる方もいるため、詳しくは医師にご相談ください。

一緒に飲んではいけない薬は?

ミニピルと一緒に飲んではいけない薬は、基本的には低用量ピルと同じです。ただし、血栓症のリスクがほとんどないことから、低用量ピルと相性が悪かったトラネキサム酸(肝斑、シミの治療薬)とも一緒に飲むことが可能です。下記の薬とは一緒に飲まないでください。

1.セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ) 多年草のハーブです。ミニピルの吸収を阻害することがあります。

2.抗HIV薬、抗結核薬 ミニピルの作用を減弱させることがあります。

3.抗てんかん薬 代表的な商品名:テグレトール、ラミクタール、アレビアチン、ヒダントール、フェノバール、プリミドン、トピナ、デパケン、バレリン、エピレオプチマル、ザロンチン ミニピルの作用を減弱させることがあります。

下痢や嘔吐をした場合はどうしたらいいの?

ミニピルのホルモン量は非常に少ないため、下痢や嘔吐をすると成分が体外へ流れてしまい、避妊効果がなくなったり、不正性器出血が起こりやすくなります。下痢や嘔吐をしてしまった場合も、服用は通常どおりに続け、病状回復後7日間までは、性交の際にコンドームなどの避妊をしてください。

ミニピルの処方

当院ではミニピルとしてセラゼッタを処方しています。ミニピルの処方や値段・価格などについて詳しくは、当院HPの「ミニピル外来」をご参照ください。

※一度受診していただければ、その後は遠隔診療によるオンライン処方も可能です。

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院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]