肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

リプロスキンはニキビ跡に効果なし

time 2016/02/09


アイキャッチ画像の出典 : リプロスキン公式サイト ピカイチ

ニキビ跡専用の化粧水なんてない

当院ではニキビ患者さんへの初診の問診票に、過去に行っていた治療を詳細に書く欄を設けています。10年以上ニキビ治療の専門外来をしていると、保険適用の薬剤以外にも、様々な化粧品や外用剤、エステでの施術内容などを目にします。そこに「リプロスキン」という化粧水を書いている患者さんが多いため、どんな商品か調べて見ることにしました。

患者さんは常に新しい治療や新しい商品を見つけてくるため、問診票の中に、私が初めて目にするものがあると、だいたい「これはどういうものですか?」と患者さんへ訪ねることにしています。リプロスキンのことを聞いてみると、「ニキビ跡が治ると書いてあったので…」と言う患者さんや、「ネットの口コミでニキビ跡に効果があると聞いて、使い始めました。」と言う患者さんがほとんどでした。さらに、凹凸に効果があると信じて購入してしまったという患者さんも大勢いました。

ニキビ予防の化粧水は、各社いろいろ出しています。しかし、ニキビ跡については薬事法の制限がかかるために、せいぜい「色素沈着、シミを防ぐ」と言う程度の表現しか認められていませんし、ニキビ跡が治ると大々的に広告している化粧品会社はないはずです。どういった理由から、リプロスキンでニキビ跡が治ると誤解している患者さんが増えたのでしょうか?

賢明な読者ならすでにお分かりだと思いますが、当院に来院された患者さんで、ニキビ跡にリプロスキンの効果があった方は、一人もいません。(効果があったなら当院を受診する必要はありませんからね。)

そもそも医薬部外品を含めて、化粧品でニキビ跡を治す効果があるものは一つも存在しません。(そもそもそんな化粧品があったら完全に医薬品になるでしょう…。)

リプロスキンの効果効能を考察

公式サイトである「ピカイチ」を覗いてみました。冒頭の広告画像からすごいです。

リプロスキン効果
出典 : リプロスキン公式サイト ピカイチ

「ニキビののお悩みにリプロスキン」「ニキビが治ったが気になって」と書かれていますが、ニキビあとのことを、「ニキビ」や「ニキビ」とは書いていません。薬事法上、効果がないのにも関わらず「ニキビののお悩みにリプロスキン」という表現を使用することはできないからです。
そしてその次にすかさず、上浦典子医師の言葉として、次の文言を入れています。

リプロスキンニキビ跡
出典 : リプロスキン公式サイト ピカイチ

ここでは、「ニキビ跡は悩ましいですよね?」と一般論として言ってるだけで、リプロスキンがニキビ跡に効果があるとは一言も言っていないわけです。そして、いざリプロスキンの広告になると、次の画像のようにニキビ跡(あと)から、ニキビ後(あと)へと表現が変化します。

リプロスキン効能効果
出典 : リプロスキン公式サイト ピカイチ

その後もニキビ跡とニキビの後の文言を、適材適所繰り返して使用していますので、注意深くご覧になってみてください。このようなことをされると、消費者はリプロスキンがニキビ跡に効果があると誤解してしまうのではないでしょうか?

HP上に体験談が沢山載っていますが、体験談の中でも効果効能は謳えませんので、薬事法違反にひっかからないように、ニキビの後とニキビ跡をうまく使っています。

ちなみにアイキャッチで使っているリプロスキンの宣伝画像は、「ニキビ・ニキビ後専用化粧水」となっていたり、グーグルアドワーズ広告では「ずっと悩んでいたニキビ後に、さよならする日が来るなんて!」と宣伝しており、あえて消費者へ誤解を生む表現のように思えます。

リプロスキンニキビ跡
出典 : リプロスキン公式サイト ピカイチ

薬事法で規制されているだけで、本当はニキビ跡に効果があるんじゃないの?!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、次に成分を見ていきます。

リプロスキンの成分

リプロスキン 成分
出典 : リプロスキン公式サイト ピカイチ

公式サイトによるとリプロスキンの有効成分は、グリチルリチン酸ジカリウムとプラセンタエキスの2つだけです。(正直よくこの2つだけで大々的に宣伝してるなあと感心してしまいます。)

グリチルリチン酸ジカリウム

グリチルリチン酸二カリウムはカンゾウ(甘草)という生薬に含まれる成分で、消炎作用があります。消炎作用があるため、歯磨き粉やシャンプーなどの生活用品から、喉や口腔内の炎症止め、鼻粘膜や胃粘膜の炎症止めなどと広く使用されている成分です。もちろんニキビ跡には効果はありません。この成分を配合している化粧品で、薬事法上許されているニキビ関連の表現は「ニキビを防ぐ」だけです。前述した公式サイトの中でも、ニキビ跡を治すと書かれていないのはこのためです。

プラセンタエキス

プラセンタエキスは、日本ではブタ由来(一部馬由来)しか化粧品へは配合できませんから、ブタプラセンタであると推察します。リプロスキンにプラセンタが何mg、何%配合されているのかは不明です。プラセンタには美白作用と抗炎症作用はありますが、ニキビ跡(凹凸)を治すような効果はありません。

ヒアルロン酸やコラーゲンなどの成分は、肌に塗っても吸収されず、ましてニキビ跡には全く効果はありません。その他、パラベンフリーを謳っていますが、防腐剤のフェノキシエタノールはしっかりと入っています。

医学的見地から断言しますが、リプロスキンにニキビ跡を治す成分は入っていません。(まあそもそも、リプロスキン公式でもニキビ”後”と言っているわけで、ニキビ”跡”を治すとは一言も言っていないわけですけどね。)

広告の口コミの問題点

リプロスキンの口コミを調べると、おかしな点に沢山気付きますが、ここでは一般論として述べます。あくまで化粧品のクチコミに対する一般論で、この章ではリプロスキンに言及しているわけではないことをここに記載しておきます。

某広告会社勤務の友人がいるので、内情に詳しいのですが、化粧品の広告では、薬事法の規制を免れるために、いろいろな手口を使って広告をします。また、広告を打ち出す際に、消費者が商品の「口コミ」を調べる傾向を利用して、口コミサイトを作ります。

口コミサイトについて詳しく書くと以下のようになります。

広告業者は、「商品名 口コミ」、「商品名 評価」などといった検索キーワードに引っかかるように、あらかじめ口コミサイトを複数作成します(いわゆる「やらせサイト」「ステマサイト」)。商品が発売される前にこのようなサイトを作っておき、商品が発売されたと同時に口コミサイトをWEBに載せます。商品が発売された時には、商品を使用したことがある消費者はまだいませんから、商品名で検索すると、公式サイトか、もしくはステマサイトしか表示されません。そのようなサイトを複数作ることによって、「商品名 口コミ」の検索ワードの上位表示は、業者が作成したステマサイトばかりが占めることとなり、消費者の本当の口コミは埋もれてしまいます。

さらに最近では、ネガティブな情報を検索させないようにするステマサイトも多数作られます。例えば「商品名 効果なし」、「商品名 怪しい」、「商品名 嘘」などの検索ワードに引っかかるように、ネガティブキーワード用のステマサイトも作っておきます。具体的には、「〇〇(商品名)は怪しい?」などの表題でサイトを作り、「最初は怪しいと思っていたけど、使っていたら効果抜群で、本当に使って良かった!おすすめ!」などとポジティブな意見にすり替えて、公式サイトへ誘導します。ネガティブな検索ワードで上位表示されるのは、これまた業者が作成したステマサイトだらけになり、消費者が書いている本当のネガティブな情報は埋もれてしまうことになります。

ステマサイトからステマサイトへのリンクが貼られるため、それぞれの被リンク数が多くなり、ページのランクが上がることによって、ますます上位表示には業者のサイトばかりになってしまうという悪循環になっています。(この記事に少しでも賛同していただける方は、ぜひ当サイトのリンクを貼って記事をご紹介いただくか、ご自由に引用して、Twitter等でつぶやいてください。)

ステマサイトと思われるサイトが乱立している化粧品は、原則おすすめしません。(というかそもそも、市販の化粧品自体、患者さんへおすすめすることはありませんが)。

商品の広告がいけないということではありません。広告をすること自体は何の問題もないのですが、消費者を装っているところが問題だと思っています。

楽天の口コミで、11万件以上が業者のやらせであったことがニュースになりましたが、広告業界内では「当たり前のこと(友人談)」として横行しています。最近は消費者も目が肥えてきているので、騙されることは少なくなってきていると思いますが、十分にご注意を。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]