肌のクリニック院長の肌ブログ

東京でニキビ治療・シミ治療・調剤化粧品・プラセンタ療法外来をしている医師のブログ

症例6:抗生剤、漢方、ベピオゲル、光治療が無効であったニキビに対するアキュテイン(イソトレチノイン)治療

time 2015/12/23

症例6

イソトレチノイン(アキュテイン)治療のモニターを承諾していただいた患者さんです。

【患者】20代前半男性 【体重】56kg
【現病歴】7年前よりニキビができ始め、4年前から現在にかけて顔全体に炎症性ニキビが多発するようになった。市販のニキビ治療薬、内服ビタミン剤、抗生物質、漢方薬、ディフェリンゲルやベピオゲルなどの外用剤、クリアタッチ(ニキビ用の光治療)、ピーリング石鹸など、さまざまな治療を行ったが改善しなかったため、当院へ受診した。
【既往歴】花粉症
【過去の治療歴】市販のニキビ治療薬(複数種類)、ピーリング石鹸、内服ビタミン剤、抗生物質(セフロキシム、ロキシスロマイシン)、漢方薬(桂枝茯苓丸加ヨクイニン、当帰芍薬散、荊芥連翹湯)、外用剤(アクアチムクリーム、ダラシンローション、ディフェリンゲル、ベピオゲル)、光治療(クリアタッチ)

初診時

難治性にきびのアキュテイン治療症例6-1
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-2
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-3
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上の写真は初診時の写真です。残念ながら過去の治療で全く効果が出ておらず、7年間という長い間、ニキビが繰り返し繰り返し出てきてしまっていました。そのため、炎症性ニキビ以外にも、色素沈着と凹凸のニキビ跡がかなり残存していました。アキュテイン(イソトレチノイン)の治療を1日20mgより開始しました。

1ヶ月後

難治性にきびのアキュテイン治療症例6-1 1ヶ月後
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-2 1ヶ月後
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-3 1ヶ月後
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上は1ヶ月後の写真です。全体的に嚢胞性の炎症性ニキビが噴き出しています。患者さんは明るく前向きな性格でしたので、「めっちゃ出てきちゃいました。」と笑いながら言っていました。アキュテインによる初期悪化は説明していましたが、内心は相当不安だったと思います。アキュテインで初期悪化する理由はいろいろありますが、一つは皮脂腺を強力に縮小するため、皮脂線近くのこもっているニキビが一度外に押し出されることによります。こもっているニキビは将来出てくるニキビですから、もともと潜在的にこれくらいまで悪化する可能性を秘めていたわけで、外に出てくることは好転反応であるから気にしないように患者さんへは説明しています。初期悪化したからといって中止せずに続ける必要があります。この患者さんの場合、副作用の乾燥はひどくなく、男性で体重も56キロありましたので、ここから40mg/dayへ増量しました。また、過去にできてしまったニキビ跡は別にして、今あるニキビの跡をできるだけ残さないようにするために「保湿」と「紫外線防止」をしっかりと行うように指導しました。できるだけ乾燥させないようにニキビを治すことによって、ニキビ跡が残りにくくなります。また、紫外線は肌の再生を阻害してニキビ跡の凹凸や色素沈着を悪化させますから、紫外線予防は重要です。

2ヶ月後

難治性にきびのアキュテイン治療症例6-1 3ヶ月後
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-2 3ヶ月後
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-3 3ヶ月後
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上の写真はアキュテイン(イソトレチノイン)の治療開始2ヶ月後です。初期悪化は落ち着いていますが、まだ嚢胞性、炎症性ニキビが残存しています。40mgへ増量してから1ヶ月目ですので、もう少し同量で経過を見ることとしました。

3ヶ月後

難治性にきびのアキュテイン治療症例6-1 3ヶ月後
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-2 3ヶ月後
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上の写真は治療開始3ヶ月後の写真です。40mgへ増量して2ヶ月が経過しました。頬の炎症性ニキビはほぼ無くなっているものの、あご~首にかけて白い膿をもったニキビがまだまだあります。治療開始から3ヶ月が経過し、なおかつアキュテイン(イソトレチノイン)を40mg/日で服用してもらっていますので、通常では新生ニキビはゼロになっていてもおかしくありません。この患者さんの場合は、かなりしつこいニキビであったため、ここから1日60mgへ増量しました。

5ヶ月後

難治性にきびのアキュテイン治療症例6-1 5ヶ月後
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-2 5ヶ月後
難治性にきびのアキュテイン治療症例6-3 5ヶ月後
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上の写真は治療開始から5ヶ月後、60mgへ増量して2ヶ月後の写真です。ようやく新生ニキビの出現が止まりました。

潜在性のニキビが出現して最もひどかった1ヶ月目と5ヶ月目の写真を比較してみます。
アキュテイン治療ビフォーアフjター
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そのまま60mg/日を続けてもらい、トータル6ヶ月間治療を行い終了としました。

アキュテイン(イソトレチノイン)の1日量、60mgについて

この患者さんには、アキュテイン(イソトレチノン)の1日の量を、最終的に60mgまで増量して処方しました。海外の臨床試験では、より量を多くしたり、より長い期間治療を継続することで、再発率が低下するという報告があります。私の経験では、内服中に新しいニキビができる患者さんは、再発率や再発の程度が高くなる傾向にありますので、肌の状態や副作用の程度を見ながら、ニキビが完全にゼロになるまで、用量を上げていきます。量を多くしたり、内服期間を長くすれば、それだけ副作用のリスクが高まることにも留意しながら治療をする必要があります。

私が過去に処方した最高用量は、アメリカ人の患者さんに1日120mg、日本人の患者さんに1日100mgですが、通常は40mg以上の用量を処方するケースは稀です。処方量を多くすればするほど、肌の乾燥は強くなり、内科的な副作用(肝機能障害等)も多くなってきますが、時にはしっかりと量を上げて治療しなければならない患者さんもいます。副作用チェックをきちんとしながら治療をしていくことが必要です。

肌のクリニック

院長 岩橋 陽介

院長 岩橋 陽介

東京の調剤化粧品とニキビ治療専門皮膚科 肌のクリニック高円寺院の院長ブログ。Twitterではスタッフ全員でつぶやいています。 [詳細]